デジタルフォントとして
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/06 09:38 UTC 版)
「リュウミン」の記事における「デジタルフォントとして」の解説
DTP時代に入り、リュウミンは印刷物において最もメジャーな明朝体の座を占めるようになった。背景には、DTP化の動きが日本語の出版・印刷界に近づいてきた1980年代後半に写植2社が対照的な動きを見せたことがある。最大手であった写研は石井明朝体を含む全書体を引き続き写植機・自社システムでだけ使用できることとし、DTP向けには開放しなかった。これに対し、関西圏で一定の占有率のあったモリサワはAdobeと提携し、日本語PostScriptフォント開発に乗り出す。1989年にAppleが発売した初の日本語PostScript対応レーザプリンタ「LaserWriter II NTX-J」にリュウミンL-KLと中ゴシックBBBを搭載した。これを皮切りに、Macintoshの日本語版OS漢字Talk 7.1へのTrueType版「リュウミンライト-KL」のバンドル、リュウミンファミリー(M-KL/B-KL/U-KL=1993年、H-KL=1994年、R-KL=1995年)をはじめとする主要書体のPostScriptフォント化などを経て、リュウミンそしてモリサワはDTPでの地歩を固めた。L-KL/R-KL/M-KL/B-KL/H-KL/U-KLについては1999年にNewCIDフォント、2002年にOpenTypeフォントとなった。 2021年4月現在、リュウミンはMac・Windows両用のOpenTypeフォントとして販売・提供されている。リュウミンPro L-KLはモリサワ「OpenType 基本7書体パック」構成書体の一つであり、その最初に挙げられている。このほかモリサワの「TypeSquare」、Adobeの「Adobe Fonts」でウェブフォントとしても提供されている。Android向けの「モリサワ ダウンロードフォントfor Android」には「リュウミン M-KL」がラインアップされ、iPadでは「MORISAWA PASSPORT for iPad」を通じてリュウミンをインストールできる。 かつてはMacintosh用PostScriptフォント(OCF、CID、NewCID)、Windows Vista以降用のTrueTypeフォント(MORISAWA FONT Pack for VistaでL-KL/R-KL/M-KLのみ)として販売された。 前述の通り漢字Talk 7.1に「リュウミンライト-KL」がバンドルされたほか、NTT DoCoMoの富士通製FOMA端末、F902i以降の90Xシリーズでは、明朝体フォントとしてリュウミンが採用された(デフォルトでは新ゴがベースとなったゴシック体)。 ジャストシステムの『一太郎2011 創 プレミアム』にはL-KL/EB-KL/EH-KLが対応アプリケーション上でのみ利用できる専用フォントとして付属する。同社『一太郎2020 プラチナ』にはL-KL/R-KL/M-KL/B-KL、L-KO/R-KO/M-KO/B-KOが付属する。
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