ディーゼルエンジン用規格(C・コマーシャルカテゴリ)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/02 03:41 UTC 版)
「API規格」の記事における「ディーゼルエンジン用規格(C・コマーシャルカテゴリ)」の解説
ディーゼルエンジン用API規格にはCA 〜CK-4までのグレードが存在しており、日本国内ではCF-4までが主に用いられ(理由は後述)、乗用車や農業機械向けには CD級以降のオイルが一般に良く用いられる。CカテゴリのCはCommercialもしくはCompression ignition engineの頭文字から(API公式データではCommercialとなっている)。またCF-4の4は4サイクル用である事をしめす。国内の乗用のディーゼル車においてCDやCF、CF-4以前のAPIのディーゼル規格が指定される事もあったが、乗用のディーゼル車がほぼ存在しないアメリカの規格らしく、近年の規格では大型トラックなど商用車や重機・産業機械などを対象とした規格となっており、乗用車は基本的には対象としていない規格となっている。この点は乗用車と商用車でディーゼルオイル規格がわけられている欧州のACEA規格(乗用車:BおよびCカテゴリ・商用車:Eカテゴリ)や日本のJASO規格(乗用車:DL-1・商用車:DH-1,DH-2)とは事情が異なると言え、現行のディーゼル用API規格はACEA Eカテゴリ、JASO DHと競合する規格と言える。 日本国内ではCF-4まででCG-4以降のAPI規格のオイルは一般ユーザーの眼に触れることは少ないが、米国やその他の国ではCG-4以降のAPI規格が使用されている。CG-4の後はCH-4,CI-4(CI-4+)と続き現在の最新規格はCK-4となっている。これは日本国内ではCF-4規格(商用・産業においては主にCD規格)からCG-4に移行しなかったためで、API規格を要求する輸入車やエンジンを除くとCG-4以降のAPI規格は国内での需要は殆ど無いと言える。国内ではCG-4以降のAPI規格を参考にしつつ、国産エンジンやEGRなどにも対応した日本自動車技術会規格(JASO規格)である国内独自のDH-1規格が導入された。その後も灰分を抑制しDPFに対応したDH-2、乗用車用としてDL-1といった規格を導入していき国内のディーゼルエンジンはJASO規格が主流となった。CG-4を採用しなかったのは日本と欧米では排気ガス規制(日本:NOx規制重視 欧米:PM規制重視)やエンジン設計(動弁系の機構やEGRの有無)が異なり一部のCG-4規格油において日本のエンジンが要求する性能に達しない部分があった為とされている。特に動弁系の違いにおいては一部のCG-4規格油を日本に多いすべり動弁のエンジンに使用した場合のカムの摩耗という不具合が見られたという点が採用が見送られた大きな理由として挙げられる。なおDH-1以前においてもAPI規格に日本独自の試験を付加した仕様が存在しており、商用において主流であったCD規格においては「Japanese CD」および「Japanese CD plus」と呼称されるものが存在した。 国内ではSM/CFなどといったCF規格が付いたガソリン・ディーゼル兼用オイルが見られるが2010年でCF規格が廃止されたため、これ以降はCF"相当"表記となる。同様にCF-4もさらに以前の時点でAPIでは廃止となっているが、DH-1,DH-2規格オイルにはCF-4相当表示がついているものが多い。また数は多くないがDL-1規格オイルの一部にもCF-4相当と表記してあるものもある。現在のAPI規格における有効(Current)な規格はCH-4,CI-4(CI-4+),CJ-4でCG-4以前は廃止(obsolete)となっている。 CJ-4の次期規格としてはCK-4が既に流通している他、別に省燃費規格としてFA-4が設定される予定となっている。
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