チャタル・ヒュユクの埋葬
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2020/05/09 06:26 UTC 版)
「チャタル・ヒュユク」の記事における「チャタル・ヒュユクの埋葬」の解説
チャタル・ヒュユクの住民は、死者を村の内部で埋葬した。遺体は床下に墓孔を設けて埋葬された。特に暖炉の下、主たる部屋の基壇や「ベッド」の下から遺体が発見されている。遺体は、基壇の下60cmくらいの深さに、体を小さく折り曲げて(屈葬)、左側を下、頭を部屋の中央に向けて、かごやアシ類のござのようなものにくるまれて埋葬された。いくつかの墓からは、関節がはずされた骨が発見された。おそらく遺体は埋葬される前に長期間外気にさらされていたと思われる。もしかしたら後述するようにハゲワシ等に死体をついばませていた可能性も否定できない。墓が荒らされると一体分の骨格から頭が取り外されている場合もみられる。頭蓋骨が集落のまったく別の場所で発見されることからそれらの遺体の頭蓋骨は、儀礼に用いられたと考えられている。頭蓋骨の中には、漆喰と黄土色の絵具で彩色され、人間の頭を「復元」しようとしているものもある。このような習慣は、シリアの新石器時代の遺跡や新石器時代のジェリコなどチャタル・ヒュユクの近隣の遺跡にもみられる特徴である。 副葬品は、例外的であって、織物があるほかに、木製容器、籠、食べ物が共通してみられ、男性の墓の場合は、木製や骨製の柄の付いた剣、石製の棍棒のような武器、粘土製のスタンプ印章、銅の腕輪やS字状の骨製バックル、女性の場合は、化粧用の石製パレットや装飾品、ごくまれに黒曜石できた鏡がみられる。またタカラガイを目にはめ込んだ頭骨もみられる。身長は、男性170cmくらい、女性は、158cmくらいで、平均寿命は、男性34歳、女性30歳くらいであったと考えられる。生前にマラリアによる貧血症をわずらっていた人が多かったと思われ、関節炎や骨折を患っていた人がいたことも人骨から判明している。
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