タテジマキンチャクダイとは? わかりやすく解説

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タテジマキンチャクダイ

学名Pomacanthus imperator 英名:Emperor angelfish
地方名: 
脊椎動物門硬骨魚綱スズキ目キンチャクダイ科
色 形 長崎・日本・世界 住みか 3D

※出典:長崎県水産部ホームページ

特徴
成長段階により体色斑紋がまったく違う。サンゴ礁すき間や、小さな岩穴にすむ。成魚サンゴ礁外側の縁の潮の流れ速い所を好む。成長するにつれ生息場所深み移動していくのが一般的である。ハーレムつくって生活している。鮮やかな体色のため観賞魚として人気があり、高値取り引きされる。

分布:相模湾以南インド中部太平洋 大きさ:40cm
漁法:  食べ方: 

縦縞巾着鯛

読み方:タテジマキンチャクダイ(tatejimakinchakudai)

キンチャクダイ科海水魚

学名 Pomacanthus imperator


タテジマキンチャクダイ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/03/09 07:28 UTC 版)

タテジマキンチャクダイ
保全状況評価[1]
LEAST CONCERN
(IUCN Red List Ver.3.1 (2001))
分類
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: スズキ目 Perciformes
亜目 : スズキ亜目 Percoidei
: キンチャクダイ科
Pomacanthidae
: サザナミヤッコ属
Pomacanthus
: タテジマキンチャクダイ
P. imperator
学名
Pomacanthus imperator
Bloch, 1787
英名
Emperor angelfish

タテジマキンチャクダイ(縦縞巾着鯛、学名:Pomacanthus imperator)は、スズキ目キンチャクダイ科に属するインド太平洋に分布し、観賞魚として人気がある。

分類と名称

1787年、ドイツ博物学者であるマルクス・エリエゼル・ブロッホによって、日本をタイプ産地として記載された。当初はチョウチョウウオ属に分類されていた。種小名は皇帝を意味し、日本の天皇に由来する[2][3]。幼魚は模様から「ウズマキ」と呼ばれ、成魚は「タテキン」、成長途中の個体は「ウズキン」と呼ばれる。

分布

インド太平洋に広く分布し、その分布域は紅海から東アフリカの海岸沿いにモザンビークマダガスカルまで、インド洋太平洋を通ってトゥアモトゥ諸島ライン諸島まで広がる。北は南日本、南はグレートバリアリーフニューカレドニアオーストラル諸島まで見られる。ハワイ諸島からも記録がある[1]。日本では茨城県以南の太平洋岸で稚魚や幼魚が散発的に確認され、伊豆諸島小笠原諸島屋久島琉球列島で見られる[4]フロリダ州プエルトリコで記録があり[5]、2009年以降では地中海でも少数が確認されている[6][7]

形態

幼魚

幼魚と成魚とでは、まるで別種のように色彩や模様が異なる。幼魚は濃紺の体に白い同心円状の模様が入り、頭部では横縞になる[8]。背鰭縁は白く、尾鰭は透明である[5]。成魚は青地に多くの黄色い縦縞が入る。顔は水色で、目の周りは濃い青色で、尾鰭は黄色。胸鰭上部は黒色で、前側は黄色[8]。臀鰭は濃い青色で、明るい青色の横縞が入る[5]。背鰭は13 - 14棘と17 - 21軟条から、臀鰭は3棘と18 - 21軟条から成る。全長は最大40 cm[9]。地域変異があり、太平洋の個体は背鰭軟条が長い。

類似種

2 cmまでの個体はサザナミヤッコの幼魚と似ているが、サザナミヤッコの幼魚は吻端から背中にかけて白い縦線がある。

生態

生息水深は1 - 100 m[1]。主にラグーンサンゴ礁、外海の岩壁の穴や割れ目などで観察される[10]海綿動物尾索動物、サンゴのポリプ、プランクトンや藻類などを捕食する。幼魚は掃除魚になることもある[9]。警戒すると音を発する[5]。単独かペアで生活し、縄張り意識は高い。

人間との関係

観賞魚として人気で、ダイビングでも度々観察される。近藤滋によって、1995年に生物の斑紋を数学的に証明したチューリング・パターン実験に使用された[11]

脚注

  1. ^ a b c Pyle, R.; Rocha, L.A.; Craig, M.T. (2010). Pomacanthus imperator. IUCN Red List of Threatened Species 2010: e.T165862A6151184. doi:10.2305/IUCN.UK.2010-4.RLTS.T165862A6151184.en. https://www.iucnredlist.org/species/165862/6151184 2024年3月9日閲覧。. 
  2. ^ 荒俣、中村(1997).
  3. ^ Order ACANTHURIFORMES (part 1): Families LOBOTIDAE, POMACANTHIDAE, DREPANEIDAE and CHAETODONTIDAE”. The ETYFish Project Fish Name Etymology Database. Christopher Scharpf and Kenneth J. Lazara (2020年7月21日). 2024年3月9日閲覧。
  4. ^ 『小学館の図鑑Z 日本魚類館』307頁
  5. ^ a b c d Pomacanthus imperator (Bloch, 1787)”. Nonindigenous Aquatic Species. USGS. 2024年3月9日閲覧。
  6. ^ Atlas of Exotic Fishes in the Mediterranean Sea (Pomacanthus imperator). 2nd Edition. 2021. 366p. CIESM Publishers, Paris, Monaco.https://ciesm.org/atlas/fishes_2nd_edition/Pomacanthus_imperator.pdf
  7. ^ Daniel Golani; Oren Sonin; Dor Edelist (2011). “Second records of the Lessepsian fish migrants Priacanthus sagittarius and Platax teira and distribution extension of Tylerius spinosissimus in the Mediterranean”. Aquatic Invasions 6 (1, supplement): s7–s11 (specific ref page s9). doi:10.3391/ai.2011.6.S1.002. 
  8. ^ a b Pomacanthus imperator”. Saltcorner!. Bob Goemans (2012年). 2024年3月9日閲覧。
  9. ^ a b Froese, Rainer and Pauly, Daniel, eds. (2024). "Pomacanthus imperator" in FishBase. March 2024 version.
  10. ^ Dianne J. Bray. “Pomacanthus imperator”. Fishes of Australia. Museums Victoria. 2024年3月9日閲覧。
  11. ^ S. Kondo & R. Asai, A reaction-diffusion wave on the skin of the marine an gel fish Pomacanthus, Nature, 1995.

参考文献

  • 荒俣宏、中村庸夫(写真)『チョウチョウウオの地球』エムピージェー、1997年、17頁。ISBN 4-89512-223-9 
  • 中坊徹次『小学館の図鑑Z 日本魚類館』小学館 ISBN 978-4-09-208311-0

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