スケイルズ・オヴ・ウォー
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/04/14 10:41 UTC 版)
「ギスヤンキ」の記事における「スケイルズ・オヴ・ウォー」の解説
『ダンジョン』100号及び『ドラゴン』377号にはヴラーキス157世の崩御とその後の騒乱の顛末、スケイルズ・オヴ・ウォー(Scales of war)について記されている。 千年の在位を経たヴラーキス157世はリッチ特有の偏執狂によって自らを脅かしかねない人材を次々と粛清し、その反面おべっか使いの者たちが重用され、宮廷は腐敗していた。やがて彼女は不死性を得て神となることを願い、帝都トゥナラスが鎮座する“虚ろなるもの”の内部に神性が残されていると確信した。ヴラーキスはススッルス城に逼塞し、最深部で行われているであろう儀式によってトゥナラスには地震が相次いだ。実権はザムクラス(Xam'kras)らチライの寵臣が握り、チライの審問官やヴラーキスが新たに製造したレッド・ドラゴンとの混血種、ドゥスカギスの部隊が反抗的な者たちに目を光らし、トゥナラスは恐怖政治に陥っていた。 この事態に、ギスゼライとの融和派組織、シャザル・クォウのリーダー、ゼッチルル(Zetch'r'r)は外部の冒険者にヴラーキス暗殺を依頼する…。ここまでが『ダンジョン』100号に掲載されたアドベンチャー、“The Lich-Queen's Beloved”の導入である。この冒険で、冒険者はススッルス城に潜入し、ザムクラスらを成敗して女王の経箱を奪取し、ヴラーキスを討伐することになる。 『ドラゴン』377号にはこの顛末を踏まえ、女王没後の後日談が紹介された。 ヴラーキス157世を倒し実権を握ったゼッチルルだったが、彼の主張は多くのギスヤンキに受け入れがたいものだった。クーデター政権であるゼッチルルは多くの政敵を抱え、その基盤は脆弱だった。進退窮まったゼッチルルはティアマトにさらなる援助を要請する新しい契約を結ぼうとした。かねてからディスパテルを仲介とした迂遠な契約に憤慨していたティアマトはゼッチルルを歓迎し、ギスヤンキがティアマトに従属することで新たな契約を交わした。レッド・ドラゴンの軍勢はわずか1日でトゥナラスを陥落し、ゼッチルルは皇帝を僭称した。 ゼッチルルはティアマトの軍勢を以て永遠の征討軍を再開する気だったが、ティアマトには別の企てがあった。彼女は大敵である善竜の王バハムートとの戦いのためにギスヤンキを当てる気でいた。従属的立場にいたギスヤンキに拒む権利はなく、またティアマトに抗する力も残っていなかった。ゼッチルルは己の誤算を認め、ティアマトの影響力を解消する手段がないか望むようになる。 だが、それ以上にゼッチルルを悩ましていたのが、自らが結んだ契約によって当初の契約が解消され、九層地獄に囚われていたギスの魂が解放されることであった。すでにギスの肉体はなく、彼女が復活するには新たな肉体を必要とした。そんな中、アストラル海に残る僅かな神々の力を吸収するギスヤンキでも稀なギュスティル(Ghustil)族の少女にギスの魂が宿った。体制転覆を狙う多くの勢力が彼女に群がり、チライの生き残りは彼女こそがヴラーキスの生まれ変わりだと主張した。彼女はギス族を復旧させるためにシャザル・クォウに転じた。 新たなヴラーキスとなったギスはゼッチルルの方針に失望した不平分子を糾合したが、彼女はより多くの助力を必要としていた。 ギスの勢力が回復することによって、トゥナラスはまた新たな問題を抱えることになる。彼女が実権を取り戻した暁には、永遠の征討軍が復活する最後の可能性がでてくるのである。
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