『ダンジョン』
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/08/28 08:41 UTC 版)
このゲームには、商品化という展開を辿った『ゾーク』とは異なる系列のバージョンがある。作者たちがMITに在学していた頃に、ディジタル・イクイップメント・コーポレーションのあるプログラマーが、『ダンジョン』の一部をMDLからFortranに移植し、56KBのPDP-11に詰め込んだ(当時の『ダンジョン』はPDP-10上ではプレイできたが、より小規模なシステムではプレイできなかった)。『ダンジョン』がそのような小さなシステム上で動いてる事に驚かされた元作者らは、より完全な移植のためにソースを提供した。『ダンジョン』がインフォコムの商業作品である『ゾーク』になると、インフォコムは同社の版権表示を追加することを条件に、Fortran版『ダンジョン』の無償配布を許可した。このFortran版『ダンジョン』をさらにC言語に移植した版は、多くのUNIXシステムでパッケージが用意されており、現在も遊ぶことができる。たとえばDebianではdungeonというパッケージであり、FreeBSDではportsのgames/dungeonである。 Fortran版『ダンジョン』はDEC VAX上で広くプレイ可能であり、DECUSによって配布された最も有名な一品となった。Fortran版にはオリジナル版への更なる要素の追加や、MDL版でのトラック変更のために、多くの改変が加えられていた。1980年代後半には、Fortran版はVAX Fortranにより大幅に書き直され、最新のMDL版と完全な互換性を持つようになった。Fortran版には、実際には入れない水車小屋への入り口という、DEC本社に関する楽屋ネタが加えられていた。 またFortran版には、プレイヤーが(プレイヤー自身も含む)いかなる品物も、いかなる場所にでも移動させられるようになるコマンド「gdt」(game debugging technique、DDT(en:Dynamic debugging technique)というDEC由来のデバッガ用語のもじり)が存在した。「gdt」コマンドを使用するには、ゲーム本編に対する深い知識を必要とするランダムな質問に答えねばならない。誤った解答を返したプレイヤーは塵となって即死し、fortune (UNIX) のメッセージが表示される。 なお、初期のコンピュータゲームで同名の別ゲームが複数存在するので注意。ダンジョン (コンピュータゲーム)を参照。
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