サントリーのトートバッグ騒動
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/17 07:15 UTC 版)
「佐野研二郎」の記事における「サントリーのトートバッグ騒動」の解説
2015年8月、サントリーのオールフリーの応募シールを集めると佐野デザインの30種のトートバッグがもらえるという企画で、バッグのデザインに多くの盗用があるのではないかという指摘があがった。8月5日の会見では「ものをパクるということを一切したことはない。」などと語っていたため反発の声が高まった。8月13日、サントリーは佐野のデザイン事務所からの取り下げ依頼を受け、トートバッグのNo.6、No.7、No.8、No.12、No.18、No.19、No.20、No.24の8種類の配布中止を決定した上で謝罪した。 2015年8月14日、代表を務める事務所のホームページ上で、「佐野研二郎デザイン」として発表・配布された景品は、他人の作品をスタッフがトレースしたものであることを認め、謝罪。江川達也は、この騒動について「デザイナーって何なんだろう」「オリジナルって何なんだろう」とデザイナーの仕事ぶりが問われる事態になったと批判した。15日、「BEACH」と書かれたデザインについてデザイナーのベン・ザラコーが15年前に自分が制作したものと完全に一致すると指摘。ザラコーは、「もし、佐野氏が盗作でお金をもうけていたのなら、法的手段を取りたい」と明言した。 泳ぐ女性のデザインを制作したジェフ・マクフェトリッジは、模倣について「とんでもないこと」と批判したが法的手段をとらないと語った。俣野温子は、「(佐野の)トートバッグの猫もヒゲはなく黒猫で丸い目で、ポケットから半分顔を出しています」と自身の作品との類似を認めた上で、「私の代わりに怒ってくださった皆様…溜飲が下がりました。本当にありがとう。」と佐野への追及に対する感謝の意を述べるに留めた。「BEACH」の作者であるザラコーは「Let's be creative and original. Let the games begin!(創造的で独自性あるものにしましょう。ゲームをはじめて下さい)」と五輪エンブレムの挑戦状をたたきつけた。17日にはザラコーの対案の初稿が公開された。 佐野の妻は、日刊ゲンダイのインタビューに応じ、トートバッグのデザインの実務は何人かの部下であって佐野は監修と主張。五輪エンブレムのデザインコンペが博報堂のお手盛りのコンペだったとの指摘には、博報堂と無関係の人物もいたと反論した。佐野が教授を務める多摩美術大学の総務課は、トートバッグの件について佐野に事情を確認するとしたが、五輪エンブレムの使用中止が決まった9月1日の時点においても事情の確認は行われていない。佐野の事務所は、写真の盗用を認めた後も謝罪や問合を含めて、盗用元に一切の連絡をしていない。
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