コンプリートフォーム
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/09 02:04 UTC 版)
「仮面ライダーディケイド (キャラクター)」の記事における「コンプリートフォーム」の解説
ディケイドの強化形態にして真の姿。身体能力が通常時から大幅に向上しているほか、9つの世界で出会った9人の仮面ライダーを最強フォームの状態で召喚することができる。召喚されたライダーに独自の意思はなく、ディケイドの行動と同調して動く。また、ディケイドの側はライドブッカーで召喚したライダーと同じ必殺技を放つ。 この姿になるためには、専用ツールのケータッチとコンプリートカードを必要とする。まずケータッチにコンプリートカードを装填すると、ケータッチの画面上に並行世界の仮面ライダーたちのシンボルマークのアイコンが表示されるので、それらを時系列順にタッチしていく。その後ディケイドライバーのサイドハンドルを引くとカメンライド ディケイド コンプリートフォームのカードが空中に出現、ディケイドの額に装着され、同時にスーツが変化。最後にディケイドライバーをベルトの右腰に移し、ケータッチをベルトのバックル部にセットすることで変身完了となる。 カメンライド ディケイド コンプリートフォームのカードを収めたディケイドクラウンは、ディケイド コンプリートフォームが並行世界の王者たることを示す冠である。全身を覆うディヴァインスーツ St.(セイント)は、並行世界の王者のみが身にまとうことを許された闕腋袍であり、この帛(はく)の装束を目にした邪悪な者は身も心も焼き尽くされるという。9枚のカメンライドのカードを胸部に並べたヒストリーオーナメントは、それぞれに描かれたライダーの最強の力と技を行使できるようになる経帷子であり、ケータッチを操作してライダーを召喚すると、9枚すべての絵柄が召喚されたライダーのものに変化する。このヒストリーオーナメントのカードをディケイドライバーに装填して使うことはない。 ディケイドの強化形態については「カードだらけ」のほかに、「仮面ライダーの顔だらけ」「仮面ライダーマークだらけ」「ファイナルフォームライドの意匠がついた鎧」といった諸案があった。結果として「カードだらけ」案が採用となったが、制作会議では「行き過ぎではないのか」「これはカッコいいのか」と疑問も出た。小林大祐は「大人の方からは賛否両論あると思う」と述べつつも、子供たちを驚かせるようなデザインを常に心がけている身として、このコンプリートフォームを仮面ライダー強化フォームの最高傑作としている。 ディケイドクラウンの初期案は単に四角形の意匠を配置しているだけだったが、「体にカードを並べているのが一番の特徴なのに、頭にカードがないのはおかしい」と白倉伸一郎が指摘したため、自らのライダーカードを収めているデザインとなった。また、ボディカラーには野中剛の案に基づいてシルバーが用いられており、通常時のピンクから強化されたことを鮮明にしている。身体の各部にカードを配置することも検討されたが、バストショットで全てが映ることを優先して、胸に並べられ、カードが埋もれないようにディケイドそのものの色も渋めに抑えられた。 コンプリートフォームは、このように強烈なインパクトを生み出すことを何よりも優先して制作されたキャラクターであるため、代償も伴った。商品化を前提としてデザインされたにもかかわらず、すべてのカードを彩色で表そうとすると、フィギュアベースでは採算が取れないという「自己バグ」を抱えていたのである。ソフトビニール製の「レジェンドライダーシリーズ」では、カードの部分に筋彫りだけを入れて一色吹き。変形可動フィギュア「ファイナルフォームライドシリーズ」や、S.H.Figuartsではシールを添付して再現している。結果的にソフビ人形を犠牲とした形になったが、バンダイの高橋秀行は「『このデザインってどうなの?』って物議を醸すようじゃないと、視聴者の方にも印象を残せないんじゃないでしょうか」と述べている。
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