コイチヤクソウとは? わかりやすく解説

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こ‐いちやくそう〔‐イチヤクサウ〕【小一薬草】

読み方:こいちやくそう

ツツジ科多年草本州中部以北高山帯針葉樹林下に自生。高さ約10センチ卵形。夏、釣鐘状の緑白色の花を総状につける


小一薬草

読み方:コイチヤクソウ(koichiyakusou)

イチヤクソウ科常緑多年草高山植物

学名 Orthilia secunda


コイチヤクソウ

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/23 21:43 UTC 版)

コイチヤクソウ
コイチヤクソウ、2020年8月
木曽駒ヶ岳長野県木曽郡木曽町にて
分類APG IV
: 植物界 Plantae
階級なし : 被子植物 Angiosperms
階級なし : 真正双子葉類 Eudicots
階級なし : キク上類 Superasterids
階級なし : キク類 Asterids
: ツツジ目 Ericales
: ツツジ科 Ericaceae
亜科 : イチヤクソウ亜科 Pyroloideae
: コイチヤクソウ属 Orthilia
: コイチヤクソウ O. secunda
学名
Orthilia secunda (L.) House[1]
シノニム
  • Ramischia secunda (L.) Garcke[2]
  • Pyrola secunda L.[3]
和名
コイチヤクソウ

コイチヤクソウ(小一薬草、学名:Orthilia secunda (L.) House[1])は、ツツジ科コイチヤクソウ属に分類される常緑半寄生の小さな多年草の1[4][5][6][7][8][9]種小名secundaは「片方にかたよる」の意味で、のつき方であるこの花序に由来する[4]和名イチヤクソウより小さいことに由来する[9]。かつてはイチヤクソウ科とされたが[5]、新しいAPG植物分類体系ではツツジ科に含められている[1]

特徴

地中に細長い根茎がある[5]は長さ1-4 cm、幅0.6-3.5 cmの広卵形-卵形で先は短くとがり[4][5]、3-4枚ずつかたまって互生する[8]。普通はふちに細い鋸葉があり[4]、表面はやや光沢がある[5]葉柄は1-1.5 cmで[4]、葉は下部に集まってつく[5]。茎の先端に3-4枚の広披針形の鱗片がある[6]

花茎は細く[5]高さ5-9 cmで直立し、総状花序[6]先端に約10個の花が片側に偏ってやや密につく[4][7]花冠は緑白色で直径約5 mmと小型の壺形で[4][5]、深く5裂し、あまり開かない[7]。花序の軸には乳頭状の短毛がはえる[6]。小花柄の基部に苞葉がある[7]雄しべは10個[8]、孔開裂する[7]雌しべは曲がらない[9]子房は球形で基部に10個の花盤がある[6]裂片は円形に近く、長さと幅はぼぼ同長[5]。花のあと花茎は伸びて10 cm以上となる[4]。花期は6-6月[4]蒴果は扁球形で、10本の稜があり、先端から5片に裂け、裂片の縁にはほとんど毛がない[6]

分布と生育環境

亜高山帯の林内に生育するコイチヤクソウ

ヨーロッパアジアサハリン千島列島日本北米北半球の高山・亜寒帯に分布する[4][8]

日本では、北海道本州中部地方以北)に分布する[4][5][6][7][8]富士山[8]の亜高山帯にも分布する[5][9]

山地から亜高山帯にかけての深山[5]内に生育する[4][6][7][9][10]。低山帯の上部に生育する[8]

種の保全状況評価

日本では環境省による国レベルのレッドリスト受けていないが[11]岐阜県では絶滅危惧I類の指定を受けている[12]

脚注

  1. ^ a b c 米倉浩司・梶田忠 (2012年5月12日). “コイチヤクソウ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年12月16日閲覧。
  2. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2012年5月12日). “コイチヤクソウ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年12月16日閲覧。
  3. ^ 米倉浩司・梶田忠 (2012年5月12日). “コイチヤクソウ”. BG Plants 和名−学名インデックス(YList). 2023年12月16日閲覧。
  4. ^ a b c d e f g h i j k l 豊国 (1988)、284頁
  5. ^ a b c d e f g h i j k l 林 (2009)、295頁
  6. ^ a b c d e f g h 佐竹 (1981)、3頁
  7. ^ a b c d e f g 門田 (2013)、378頁
  8. ^ a b c d e f g 小野 (1987)、302頁
  9. ^ a b c d e 佐野 (2019)、110頁
  10. ^ 清水 (2014)、293頁
  11. ^ 環境省レッドリスト2020の公表について”. 環境省 (2020年3月27日). 2023年12月16日閲覧。
  12. ^ コイチヤクソウ” (PDF). 岐阜県. 2023年12月16日閲覧。

参考文献

外部リンク


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