ゲルマニウム‐はんどうたいけんしゅつき〔‐ハンダウタイケンシユツキ〕【ゲルマニウム半導体検出器】
ゲルマニウム半導体検出器
英語表記:germanium semiconductor detector
ゲルマニウムの半導体を使用した放射線検出器。
2種類のエネルギー差の判別能力は、NaIシンチレーション検出器より優れているので、ガンマ線スペクトル測定によって放射能の種別(放射性核種)に広く利用されている。
測定原理は、空乏層と呼ばれるキャリアのない領域を作ることにより高抵抗の領域を作り出す。この空乏層に荷電粒子が入射してイオン化が起り、正負の電荷が生ずると電離箱と同じ原理で電流パルスを生じ放射線の検出が可能になる。Ge半導体内部に空乏層を作るためにドナー不純物としてLiを拡散させたものがGe(Li)半導体である。検出器の使用時は、常に液体窒素で冷却しなければ使えない。また結晶の大きいものは、放射線によて作られた電荷キャリアを速く集めるのに数千ボルトの印加電圧を掛けなければならない。
ゲルマニウム半導体検出器

ゲルマニウム半導体検出器
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2018/09/25 23:12 UTC 版)
「半導体検出器」の記事における「ゲルマニウム半導体検出器」の解説
Ge半導体検出器はバンドギャップの幅が小さいため、常温では熱エネルギーによりバンドギャップを超えて電子が存在するので電気抵抗が低すぎて検出器としては使いものにならない。液体窒素により冷却することによってバンドギャップを超える電子がなくなるので抵抗値が実用レベルになって検出器として用いることができる。使用しないときは常温で保管が可能である。Ge半導体検出器では結晶不感部により吸収されてしまうので測定可能エネルギー下限はせいぜい50 keV程度である。 放射線スペクトルの解析を行うには上述の通り増幅器によって電気パルスを増幅し、これを多重波高分析器 (MCA) で解析する。検出器の分解能が高いため、性能を存分に発揮するためにはNaIシンチレーション検出器を用いたスペクトル解析とは違い安定性の高い増幅器・チャンネル数の多いMCA (通常 4096 ch) を用いる必要性がある。
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