カテゴリーと基準
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/13 00:22 UTC 版)
レッドリストのカテゴリとその評価基準 (Categories & Criteria) の変遷を説明する。 1940年代〜1968年 この時代には統一された用語や評価基準は無かった。 1969年 1969年にカテゴリの統一化、整理が進み、絶滅危惧、希少、減少、非認定の4つの評価基準が定められた。 1970年〜1990年 1969年版カテゴリと基準をベースにいくつかの検討がなされる。 1991年 (ver.1.0) 新しいカテゴリーの基本。大型脊椎動物に関する数値基準が示される。 1992年 (ver.2.0) ver.1.0の改訂版。種々の分類群に適用できるようにした数値基準を設けるとともに、絶滅のおそれが少ない種に対するカテゴリーが導入された。 1994年版 (ver.2.3) よく知られているカテゴリーと基準の1つ。定量的な数値基準を採用するためにカテゴリーと基準の全面改訂が行われ、1994年12月に数値基準を導入した新システムが採択された。その後のIUCNのレッドリストはこの1994年版のカテゴリーに従って作成されている。1996年10月発表の絶滅危惧動物のレッドリスト 1996 IUCN Red List of Threatened Animals が1994年版のカテゴリーと基準を用いた最初のIUCNレッドリストである。Evaluated - 評価済Adequate data - 充分なデータありExtinct (EX) - 「絶滅」 Extinct in the Wild (EW) - 「野生絶滅」 Threatened - 「危惧」あるいは「絶滅のおそれのある状態」(絶滅危惧)Critically Endangered (CR) - 「絶滅寸前」(絶滅危惧IA類) Endangered (EN) - 「絶滅危機」(絶滅危惧IB類) Vulnerable (VU) - 「危急」(絶滅危惧II類) Lower Risk (LR) - 「低リスク」Lower Risk - Conservation Dependent (LR/cd) - 「保全対策依存」 Lower Risk - Near Threatened (LR/nt) - 「準絶滅危惧」(準絶滅危惧) Lower Risk - Least Concern (LR/lc) - 「軽度懸念」 Data Deficient (DD) - 「データ不足」(情報不足) Not Evaluated (NE) - 「未評価」 ※凡例「 」内はIUCN日本委員会が訳した「IUCNレッドリスト2000年(1994年レッドリストカテゴリーとその基準)」で示されている訳語。 ( )は、環境省レッドリストの対応用語。 このカテゴリーと基準を海産魚類に適用したことをきっかけに、経済的な取引の対象となる生物への適用が議論となった。 2001年版 (ver. 3.1) 2015年5月現在採用されているカテゴリーと基準。2000年2月に、2001年版 (Ver. 3.1) カテゴリーと基準が採択された。2001年1月以降の評価はこの基準に従って行われている。しかし、1994年版に従ってすでに行われた全分類を2001年版に従って見直すことは、即時にできることではない。そのため、1994年版と2001年版が併用されており、"ver. 2.3 (1994)" あるいは "ver. 3.1 (2001)" と表示し、どのカテゴリーに従った評価なのかがわかるようになっている。 2001年版 (Ver. 3.1) によるカテゴリーは下記の通りである。Lower Risk以下が変化している。Evaluated - 「評価済み」Adequate data - 「十分なデータあり」Extinct (EX) - 「絶滅」<絶滅種>(絶滅) Extinct in the Wild (EW) - 「野生絶滅」<野生絶滅種>(野生絶滅) Threatened - 「絶滅危惧」<絶滅危機種>(絶滅危惧、絶滅のおそれのある種)Critically Endangered (CR) - 「深刻な危機」<近絶滅種>(絶滅危惧IA類) Endangered (EN) - 「危機」<絶滅危惧種>(絶滅危惧IB類) Vulnerable (VU) - 「危急」<危急種>(絶滅危惧II類) Near Threatened (NT) - 「準絶滅危惧」<近危急種>(準絶滅危惧) Least Concern (LC) - 「低懸念」<低危険種> Data Deficient (DD) - 「データ不足」<情報不足種>(情報不足) Not Evaluated (NE) - 「未評価」 ※凡例「 」は内矢原・金子が訳した『IUCNレッドリストカテゴリーと基準 3.1版』で示されている訳語。 ( )は、環境省レッドリストの対応用語。 <>はWWF-Jの訳語。
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