オートバイの燃料タンク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/06/12 15:56 UTC 版)
「燃料タンク (自動車)」の記事における「オートバイの燃料タンク」の解説
20世紀全般を通じて、オートバイにはおもにキャブレターが用いられており、燃料の供給は燃料ポンプではなく、重力による流下によって行われるのが一般的であった。したがって、燃料タンクはキャブレターより高い位置に配置され、燃料パイプを短くするためにエンジンの直上に配置されることが多かった。この場合、タンク内の圧力を大気圧と等しく保ち、燃料をスムーズに流下させるため、タンクキャップは連通構造となっている。転倒した際にはキャップの連通構造を通して燃料が漏れ出しやすい。車載を考慮した車種では、温度変化・振動・傾きでガソリン蒸気や燃料が漏れないよう、タンクキャップに連通路を締め切る手動バルブが備わっている。 タンク下部にはオン、オフおよびリザーブの3方に切り替えられる燃料コックが設けられている。オートバイには燃料計が装備されない車種が多かったため、通常走行時は燃料コックをオンにしておき、ガス欠の症状でライダーが残量の少なさを感知してリザーブ位置へ切り替えることで、再び燃料が供給され、給油場所まで走行を続けられると同時に完全な燃料切れを予防していた。 詳細は「燃料コック」を参照 スクーターの場合はキャブレターを用いていても機械式低圧ポンプによる燃料供給を行い、燃料タンクをメットインスペースの下などの比較的低い位置に配置した車種も多かった。 2000年代以降には、燃料噴射装置の採用と燃料ポンプによる供給が一般化したため、必ずしもエンジンの直上に燃料タンクを配置する必要がなくなり、重心位置の近くやエンジン下部のフレーム内に燃料タンクを設けるレイアウトなど、フレームの設計と合わせて自由なタンク配置を行うことが可能となっている。こうした車種では燃料コックがなく、代わって燃料計が装備されるのが一般的となった。
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