MLM
「MLM」とは、マルチレベルマーケティングの略称でネットワークビジネスやマルチ商法とも称される連鎖販売取引を意味する表現。
「MLM」とは・「MLM」の意味
「MLM」とは、マルチレベルマーケティングの略称。特定商取引法(特商法)の第33条により「連鎖販売取引(れんさはんばいとりひき)」」と定義されている販売形態である。「MLM」の他にマルチ商法やネットワークビジネスとも呼ばれている。MLMは1930年代にアメリカで始まったとされ、日本ではアメリカから入る形で1960年代頃から行われている。特定商取引法の規制対象となる「連鎖販売取引」とは「物品販売やサービスなどの提供を行う事業で、再販売や受託販売・販売やサービスのあっせんをする人を特定の利益が得られると勧誘し、取引を行うための条件として1円以上の負担をさせるもの」と定められている。「MLM」には多様な契約形態があるが、入会金やサンプル商品、商品などの名目を問わず、取引をするための条件として金銭など特定の負担があるものは「連鎖販売取引」に該当するといえる。
「MLM」は、多段階の階層を持った流通の仕組みで、自身が商品やサービスの顧客でありながら会員を増やすマーケッターの役割も担う。自身が勧誘した会員が、さらに会員を増やし、連鎖的な流通の拡大を図ることが特徴である。自身が新たに会員を加入させると紹介料などの利益を得ることができ、自身のグループ内の流通量によって配当ボーナスなどが支払われるビジネスモデルである。
なお、国家公務員、地方公務員などの公務員は、国家公務員法・地方公務員法の兼業禁止規定違反(副業の規制)にあたるため、連鎖販売取引に加入してはならないと定められている。民間企業でも就業規則によっては違反になるケースもある。
連鎖販売取引と同じように思われがちなのが「無限連鎖講(いわゆるネズミ講)」である。ネズミ講は、会員がそれぞれ組織外の人を2人以上勧誘することで会員を増やし、会員費などの名目で報酬を得て配当するものである。しかし、人の数には限りがあるため、いずれ破綻するシステムであることが明確であり、1970年代には大きな被害も起こったことから1979年に「無限連鎖講の防止に関する法律」が施行され、現在ではネズミ講を運営するだけでなく勧誘も処罰の対象になる。MLMは合法であり商品取引があるが、ネズミ講は違法であり商品取引がないという違いがある。
「MLM」は、ビジネスとして始めるには比較的初期費用がかからないことや店舗や事務所を構えなくても良いなどのメリットもあるが、強引な勧誘や商品を購入するためにローンを組ませるなどのトラブルも多い。そのため、特商法では勧誘の方法などを規制し、適切な広告表示をすることを義務付け、無理に契約を締結させることや契約の解除を妨げる行為などを禁止している。連鎖販売取引をする場合には、勧誘する前に「販売業者名・商品の種類・勧誘目的であること」を明示しなければならず、食事や飲み会などが目的であるかのように声をかけるのは違法になる。
「MLM」と同じような言葉に「MLA」がある。「MLA」は、マルチレベルアフィリエイトの略で、アフィリエイターが複数の階層になっているアフィリエイトの形態である。
「MLM」の熟語・言い回し
MLM企業とは
「MLM企業」とは、事業の販売形態に「MLM」を採用している企業のことである。
MLM企業ランキングとは
「MLM企業ランキング」とは、MLM企業の売上高や増収率などをランキング形式にまとめたものである。ネットワークビジネス専門の雑誌などでは、分野別や国別など様々な角度からランキングを掲載している。
MLM商品とは
「MLM商品」とは、「MLM」を販売形態として採用している企業が販売している商品のこと。企業によって取り扱う商品やサービスが異なり、サプリメントや化粧品、調理器具や洗剤、飲料水、アロマオイル、健康食品など多種多様な商品が「MLM商品」として流通している。
エム‐エル‐エム【MLM】
読み方:えむえるえむ
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