ウルボス3
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/24 04:31 UTC 版)
「ウェスト・ミッドランズ・メトロの車両」の記事における「ウルボス3」の解説
T-69に代わる形で導入が実施されたのは、スペインのCAFが展開する超低床電車ブランドのウルボス(Urbos)である。両運転台の5車体連接車で、車体はモジュール構造を活用する形で設計が行われ、押出成形による加工を施した軽量アルミニウム合金が使われている。台車は車軸がない独立車輪式で、先頭車体(C1、C2)の各車輪の外側には主電動機が設置されている(ハブモーター方式)。これにより、車内全体が床上高さ350 mmの低床構造となっている一方、抵抗器や制御装置などの主要機器は屋根上に設置されている。 車内の着席定員はT-69から減少したが、総定員数はT-69から増加した210人となっており、車内には車椅子やベビーカーが設置可能なフリースペースが2箇所存在する。 CAFへの発注は2012年に実施され、2014年9月5日から営業運転を開始した。同日時点で4両が定期運用に投入されており、整備中だった5両や残りの12両についても翌2015年までに導入が完了し、T-69を完全に置き換えた他、バーミンガム市内を経由しニューストリート駅へ向かう区間の延伸に対応した。ただし導入当初はイギリスの気温に対応したプログラムが設定されていなかった事が要因となって空調装置に不具合が発生した他、乗降扉の開閉機能にも故障が生じ、CAFのスタッフが現地に赴き修理する事となった。また、T-69よりも全幅(2,650 mm)が広い事から、導入に先立ち全区間を運休したうえで2014年時点の各電停のプラットホームの幅を削る工事が行われた。 これらの車両は製造当初から架線が存在しない区間(架線レス区間)での走行を可能とするため充電池の搭載が可能な設計となっており、2017年以降全車を対象に屋根上へのリチウムイオン充電池の設置工事が実施されている。また、2018年に運営組織が変更された影響で路線名がそれまでのミッドランド・メトロ(Midland Metro)からウェスト・ミッドランズ・メトロ(West Midlands Metro)に変わった事に伴い、車両の塗装もマゼンタと灰色を用いた従来のデザインから青を基調とした新たなものへと変更されている。 2020年現在は21両が在籍しており、加えて2021年以降21両の増備が予定されている。これらはバーミンガム市内における路線延伸に伴うもので、この区間は景観保護のため全区間とも架線レスとなるため、増備車は製造当初からリチウムイオン充電池を搭載する事になっている。車体デザインについては既存の車両と同一のものを採用する予定だが、構体の強化による安全対策が図られる。 車内 2015年の延伸区間の電停に停車する車両(2016年撮影) 新塗装(2019年撮影)
※この「ウルボス3」の解説は、「ウェスト・ミッドランズ・メトロの車両」の解説の一部です。
「ウルボス3」を含む「ウェスト・ミッドランズ・メトロの車両」の記事については、「ウェスト・ミッドランズ・メトロの車両」の概要を参照ください。
- ウルボス3のページへのリンク