アメリカ軍攻撃隊発進
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/06 20:51 UTC 版)
「坊ノ岬沖海戦」の記事における「アメリカ軍攻撃隊発進」の解説
一方、アメリカ軍の偵察機は日本艦隊を追跡した。8時15分、3機のF6Fヘルキャット索敵隊(ウィリアム・エスツス中尉)が大和を発見した。8時23分、空母エセックスのジャック・ライオンズ少尉隊も第二艦隊に接触し、大和は沖縄へ向かっていると報告した。ミッチャーは付近のヘルキャット16機に接触を続けるよう命じる。ミッチャーは攻撃隊が飛行する距離が長いことを考慮し、不時着回収機として「空飛ぶ象」と呼ばれたマーチン飛行艇を配置することにした。その他の支援艦艇も、航空攻撃が失敗に終わった場合に備えて日本艦隊阻止のため集結した。8時40分、日本艦隊もヘルキャット隊を発見する。10時、日本艦隊は西に向きを変え撤退するように見せかけたが、11時30分に沖縄本島へ向けて進路を変えた。 アメリカ軍はさらにマーチン・マリナー飛行艇2機(VPB-21哨戒飛行隊)を投入した。ディック・シムズ大尉は小型船3隻の船団と、大和を中心とした第二艦隊を発見。シムズは大和から射撃され、レーダー妨害用の錫箔(すずはく)をまいて雲に入った。11時14分(アメリカ軍の記録11時37分)にもヘルキャット6機に射撃した。 大和の出撃を察知し、沖縄諸島攻略の任に当たっていたアメリカ第5艦隊司令長官であるレイモンド・スプルーアンス大将は迎撃を命令、沖縄本島周辺に艦砲射撃任務を遂行中だった司令官のモートン・デヨ少将率いる第3戦艦隊の3隻(アイダホ、ニューメキシコ、テネシー)と第4戦艦隊の3隻(ウェストバージニア、メリーランド、コロラド)、巡洋艦7隻(バーミングハム、モービル、ビロクシー、サンフランシスコ、ミネアポリス、タスカルーザ、ポートランド)、駆逐艦21隻を任務から外して迎撃準備を行わせた。艦隊の進路が不明なため、最終的にミッチャー中将の第58機動部隊による航空攻撃を許可した。実際には、ミッチャーはスプルーアンス大将の命令を受ける前に攻撃隊を発進させている。 10時ごろ、奄美群島近海に位置していた空母サン・ジャシント、ベニントン、ホーネット (CV-12)、ベローウッド、エセックス、バターン、バンカーヒル、キャボット、ハンコックからのF6Fヘルキャット戦闘機とF4Uコルセア戦闘機132、SB2Cヘルダイバー爆撃機50、TBF/TBMアベンジャー雷撃機98が発進した。戦闘機はロケット弾を装備するか、250kg爆弾2発を搭載して出撃した。280機はすぐ第二艦隊に向かったが、ハンコックから発進した53機は道に迷った。10時45分、イントレピッド、ラングレー、ヨークタウン(CV-10)から106機が発進した。少なくとも3機が事故で墜落するか、故障で引き返した。この時点で、はじめてミッチャーはスプルーアンスに対し第二艦隊を攻撃することを通知し、「貴官がやられますか?それともこちらでやりますか?」と報告した。そのスプルーアンスは、アメリカ海軍史上最も短い作戦命令「貴官が奴らをやれ」(You Take Them)を伝えた。
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