アメリカ合衆国・北東回廊
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/05 11:18 UTC 版)
アメリカ合衆国の北東部には、ワシントンD.C.、フィラデルフィア、ニューヨークシティ、ボストンなど名だたる大都市が連なり、メガロポリスと呼ばれる。それらの都市は1800年代に建設された北東回廊と呼ばれる幹線鉄道が結んでおり、その特性から同国で最も利用者の多い幹線鉄道路線となっている。この北東回廊のうち、ワシントンD.C.とニューヘイヴン間は1900年代前半に電化が完了、電気動力による高速運転が実現しており、1960年代後半には東海道新幹線の成功に影響された電車高速列車メトロライナーが登場。しかし、度重なる運営事業者の経営不振と再編により軌道保守へ十分な投資ができず、せっかくの高速列車の乗り心地を悪くさせ、速度を制限させる原因となっていた。その状況を打破すべく、1971年に民営企業より列車運行および線路保有権を引き継いだ全米旅客鉄道公社 (Amtrak) は北東回廊の軌道を強化させ、同時にメトロライナー電車よりも高速な列車の導入を決定。この一連の流れで、新幹線の成功を経験していた日本はこの計画に参加することとなり、軌道強化計画のほか、新幹線0系を基礎としつつもアメリカ合衆国の基準に適応させた専用車両の設計を行った。 この時期、二度にわたる石油危機などの影響で、折しも鉄道利用者が増加していたという背景も追い風となり、北東回廊の更新計画は北東回廊改良計画として1980年代に実を結んだ。しかし、最も重要な課題であった軌道強化には日本の技術が大いに活かされたものの、初の新幹線仕様車両の国外輸出として期待されていた専用車両の導入が実現することはなかった。
※この「アメリカ合衆国・北東回廊」の解説は、「新幹線」の解説の一部です。
「アメリカ合衆国・北東回廊」を含む「新幹線」の記事については、「新幹線」の概要を参照ください。
- アメリカ合衆国・北東回廊のページへのリンク