アイラ・モルト
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/27 14:50 UTC 版)
「スコッチ・ウイスキーの銘柄一覧」の記事における「アイラ・モルト」の解説
現在稼働している8つの蒸留所のほか、1983年に閉鎖されたポートエレン産のウイスキーも市場に流通している。キルホーマンを除いて蒸留所が海辺に建てられている影響からヨード臭がし、さらにピート由来のスモーキーさをもつ。有名なブレンデッドウイスキーには少なくとも5%のアイラ・モルトが混ぜられているといわれる。北部で製造されたものは風味が重く、南部で製造されたものは軽い傾向にある。2014年にはインダール湾沿いにおいてガートブレック蒸留所の建設が進められ、2015年に蒸留開始、2018年以降出荷を予定している。2018年にはアードナホー蒸留所が建設予定である。 アードベッグ(Ardbeg) アードベッグ蒸留所製造。ピートの煙臭の濃度は全モルト中最高の50-55ppm。ブレンデッドウイスキー「バランタイン」に用いられ、同酒を構成する「魔法の7柱」のひとつに数えられる。モルトウイスキーとしての流通量は少ない。 ボウモア(Bowmore) ボウモア蒸留所製造。食後酒として飲まれる。シェリー樽由来の香りとハーブ様の香り、酸味を含む煙香があいまった風味をもち、アイラモルトの中では中間的な重さをもつとされる。日本のビームサントリーが所有している。 ブルイックラディ(Bruichladdich) ブルイックラディ蒸留所製造。アイラモルトの中では仕込み水のピート臭が軽く、さらに釜の上部が非常に細い単式蒸留器を用いて製造されることから、軽くドライでクリーンな風味を基本とする。ただし近年煙香が強め(40ppm)の製品も試作されている。 ブナハーブン(Bunnahabhain) ブナハーブン蒸留所製造。仕込み水のピート臭が軽く、さらに麦芽乾燥にピートをほとんど用いないことからピートの煙臭は控え目で、アイラモルトの中で最も軽いとされる。アメリカで人気が高い。ジョージ・ブッシュ(父)が大統領であった当時、ホワイトハウスのパーティで必ず供されたと伝えられる。かつてエジンバラのスコッチ・ウィスキー・ヘリテージ・センター(ウイスキー博物館)土産物コーナーで最もよく売れるウィスキーであったという。ブレンデッドウイスキー「カティサーク」や「フェイマスグラウス(英語版)」、「ブラックボトル(英語版)」の原酒の一つ。 カリラ(Caol ila) カリラ蒸留所製造。煙香とヨード香が強く、辛みをもつのが特徴。もともとはもっぱらジョニーウォーカーなどディアジオ社が製造するブレンデッドウイスキーの原酒として生産され、モルトウイスキーは入手困難であったが、1989年にオフィシャルが発売され流通するようになった。 キルホーマン(Kilchoman) キルホーマン蒸留所製造。初蒸留は2005年12月。 ラガヴーリン(Lagavulin) ラガヴーリン蒸留所製造。アイラモルトの特徴であるピートの煙臭とヨード臭に加え、なめらかさを併せ持つ。ブレンデッドウイスキー「ホワイトホース」の原酒で、オフィシャルも発売されている(16年物が主流)。ホワイトホースを販売するホワイトホース社の創業者ピーター・マッキーはラガヴーリン蒸留所でウイスキーの製法を学んだ。 ラフロイグ(Laphroaig) ラフロイグ蒸留所製造。テネシー産バーボンのファーストフィルを使って熟成される。その風味は薬品、消毒液、タールにたとえられることがあり、好みが分かれるとされる。世界各地の免税コーナーでの売れ行きが最もよいモルトウイスキーである。チャールズ皇太子愛飲の酒としても知られ、シングルモルトとして初めてプリンス・オブ・ウェールズ御用達の勅許状が与えられた ガートブレック(Gartbreck) 2015年に蒸留開始、2018年以降出荷を予定している。 アードナホー(Ardnahoe) 2018年建設完了予定。 ポートエレン(Port Ellen) ポートエレン蒸留所製造。同蒸留所は1983年に操業を停止しモルトスターに転業したが、製造されたシングルモルトの在庫は残されている。風味はドライでピートの煙香がする。
※この「アイラ・モルト」の解説は、「スコッチ・ウイスキーの銘柄一覧」の解説の一部です。
「アイラ・モルト」を含む「スコッチ・ウイスキーの銘柄一覧」の記事については、「スコッチ・ウイスキーの銘柄一覧」の概要を参照ください。
- アイラ・モルトのページへのリンク