ブレンデッド・ウイスキーの特徴
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 23:00 UTC 版)
「ジャパニーズ・ウイスキー」の記事における「ブレンデッド・ウイスキーの特徴」の解説
シングルモルトの売上は近年伸びているが、世界におけるウイスキーの売上の多くはブレンデッド・ウイスキーによるものである。ブレンデッドウイスキーには、スコットランドの蒸留所で生産されるモルトが多様であるという背景が欠かせない。それぞれの蒸留所では単一の製法に絞っており、ブレンダーはそれぞれの蒸留所が製品として求める味を作るためにウイスキーのブレンドを行なっている。あるブレンデッド・ウイスキーの銘柄は1またはそれ以上の蒸留所を持つ事業者が所有している一方で、様々な事業者との間でモルトの売買がなされるということも一般的である。つまりブレンデッド・ウイスキーには多くの蒸留所のモルトが用いられるが、それぞれのモルトは異なる事業者が所有するということになる。 ところが日本ではこれとは異なるモデルが導入されている。日本のウイスキー事業者は蒸留所とブレンデッドウイスキーの銘柄の両方を所有しているのである。そのため競合する事業者との間では、原酒の売買がなされるということがほとんどない。 日本のブレンデッド・ウイスキーは同一もしくは同系列の会社の複数の蒸留所で生産されるウイスキーだけで作られていることが多く、一部ではスコットランドの蒸留所で作られたモルトを輸入して配合するということもある。これはつまり、日本のブレンダーはそれぞれの製品を作るためのパレットをきわめて少なくしていたということである。このような状況がジャパニーズ・ブレンデッドウイスキーが、特に日本国外で成功を収めるうえで制限要素となってきたと考えられている。 このため日本のそれぞれの蒸留所は近年、次第に多様なものへとなっていった。つまり日本では1か所の蒸留所において、アイラ・モルトのようなスモーキーでピートの香りの強いものからスペイサイド・モルトのような軽く繊細なものまで、幅広いものを作っているのである。このような日本の蒸留所における多様化と工夫でジャパニーズ・ウイスキーは世界において高い評価を受けるようになっていった。
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