その後の展望と議論
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/07/03 03:29 UTC 版)
「失われた20年」の記事における「その後の展望と議論」の解説
20世紀以降の先進国で20年もの長いあいだ、名目値で年率1%以下の低成長が続いたことは、世界的に見ても珍しいといわれる。英国病と呼ばれる長期低迷を経験したイギリスの場合でも、GDP成長率は1960年代に3.2%、1970年代に2.4%であった。 高度経済成長期(経済成長率が約10%以上)や安定成長期(経済成長率が約5%以上)の頃のような経済成長率・景気拡大が起こらない場合、「失われた30年」になってしまう可能性もあるという声もあり、2016年の時点で既にそうなってしまったと述べている人たちもいる。特に、日本経済団体連合会のシンクタンク「21世紀政策研究所」は2012年4月、「『失われた20年』の状況がこのまま続いた場合、日本は2050年ごろに、先進国でなくなる」とする予測結果をまとめた。 また、2016年に入った途端に、ウクライナのデフォルト、継続し続ける原油安など、アベノミクス効果を吹き飛ばし、失われた30年へと向かう不安要素が多数出現している。 ただし、先進国における経済低迷は日本特有のものではなくなりつつある。2000年代末にはリーマンショックの影響からアメリカ合衆国や西欧諸国など他の先進国も日本の後を追うように少子化が進行し、先が見えない景気後退に突入している(日本化)。先進各国の不況は単なる景気循環では説明できず、投入可能なリソースを増やすことが難しくなり、成長の限界による構造的な経済停滞に突入したためであるという議論もある。ピーター・ティールは、20世紀における成長の原動力であったイノベーションが終わりを迎えたため、今後はアメリカ合衆国の大きな成長は望めないと論じた。 また、2011年の欧州金融不安により株価が暴落し、主力株の多くは30年前の株価に陥ってしまった。株関連でこの状況を失われた30年と呼ぶ者もいる。
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