その他の日常生活
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/09 20:51 UTC 版)
旅行 旅行に際しては、非常時に備えて機種に応じた電源、バックアップ機器の携帯を行う。宿泊を要する旅行の場合は宿泊先に接地極付きの3つ穴のコンセント(3Pコンセント)が設置されているかを確認しておく。航空機に搭乗する場合は、機器をX線検査に通すのではなく手による検査を受けられるように保安検査に関しての取り決めが必要になるため、事前に担当医と十分に相談しておく。 性生活 植込型VADを装着して退院できた患者の多くが性生活に興味を持つようになり、30〜40%で性生活を行うことができたとの報告もある。通常の安定した夫婦間での性生活は運動強度1.3〜1.8METs(安静時の1.3〜1.8倍)程度であり、術後の安定した時期には十分可能と考えられるが、ドライブライン刺入部への接触やドライブラインを引っ張ったり、無理な力がかかったりしないよう注意を要する。また、性生活により心不全症状の増悪の可能性があるため、事前に担当医とよく相談しておく。 なお、妊娠は禁忌である。胎児の成長による血液ポンプの損傷の可能性があることと、抗凝固薬は催奇性や習慣性流産をきたす可能性が指摘されているためである。よって、VADを装着した女性が性生活を行う際は、必ず避妊する必要がある。 スポーツ 継続した運動は心肺機能を高める上でも重要であり、可能な範囲での活動拡大は推奨される。ただし、相手との接触の多いスポーツ(例えばバスケットボールやラグビーなど)は機器の故障や出血の危険性が考えられるため避ける必要がある。 在宅療養中の患者および機器の駆動状態のチェック項目について、下表にまとめて示す。 在宅療養中の患者および機器の駆動状態のチェック項目実施者頻度内容自己管理患者 毎日 体温、体重、血圧、抗凝固療法、皮膚貫通部の状態、服薬内容、機器の駆動状態 診察VAD管理チーム 月に1回 全身状態、血行動態、抗凝固療法、感染の有無、皮膚貫通部の状態、投薬内容・服薬状況、機器の駆動状態 治療成績評価VAD管理チーム 6 - 12ヶ月に1回 運動能力(6分間歩行検査、心肺運動負荷試験など)、血行動態(心エコー)、QOL(SF-36(英語版)・EuroQolなど)・精神神経機能評価(ミニメンタルステート検査、トレイルメイキングテスト(英語版)など)、その他の検査(頭部CT検査、胸部CT検査)
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