その他の日本における死の表現
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/11 17:45 UTC 版)
「死と文化」の記事における「その他の日本における死の表現」の解説
上記の各宗教における表現以外にも、様々な場面で、「死」という表現に代わる婉曲的な表現を用いる。親族の死には「不幸」などの表現が用いられることが多い。場面に応じて、「臨終」「物故」「亡くなる」などとも言う。又、「逝く」「逝去」「世を去る」「帰らぬ人となる」など「行ってそのまま帰らない」という言い方や、「土に帰る」など、様々な表現が用いられてきた。なお、「逝」の字義は「行ってそのまま帰らない」である。 日本では病院で入院患者が死亡すると、医師や看護師は死亡患者と同室だった他の入院患者に対して「〜さんはお帰りになりました」といった穏やかな表現をつかうことが多い。 「不幸」はそれ自体が死を意味する語だが、不幸な境遇や異常な状況下で死ぬことにも、当然のことながら多くの婉曲表現が用いられてきた。無念の死を「果てる」、空しい死を「朽ちる」、戦場での死を「散る」、旅先での死を「客死する」、さらにそれが辺鄙な地や思いがけない場所の場合は「行き倒れる」とも言った。内心では死んでしまえと思うような奴や、世間に害を成す悪人や罪人の死にさえ、日本人は「くたばる」という間接表現を使って「死」そのものを口にすること避けてきた。ただし、「万死に値する」といった表現もあり、程度問題である。
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