その他の人々の主張
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/29 04:50 UTC 版)
日本近世史研究者で、江戸時代の町人文化に通じている立正大学非常勤講師の高尾善希は、江戸しぐさを「とんでもない話」とした上で、史実のごとく一般に広まってしまったことに対し、学術の立場からの反省の意を表している。 落語家の柳家三之助は、2014年(平成26年)9月12日に、Twitterにおいて「江戸しぐさなんてものがもしホントにあったら噺に出てこねえわけねえだろって、少し思ってた」と指摘した。 『三省堂国語辞典』編集委員の飯間浩明は、2015年(平成27年)4月17日にTwitterにおいて、2012年頃『三省堂国語辞典』においても「江戸しぐさ」を項目として立てようとしたが、その主張に信頼性は薄いと判断し、見送りになったと述べている。なお、その当時においては、ウィキペディアの当記事内容も、「江戸しぐさ」について肯定的であったという感想を述べている。 江戸文化研究家で、法政大学総長の田中優子は、過去には江戸しぐさを肯定するような発言を行っていたが、2015年(平成27年)6月25日放送のTBSテレビ『NEWS23』において、江戸しぐさを「空想である」と否定した。 新潟青陵大学大学院教授の碓井真史は、江戸しぐさは専門家から見ればあまりにも馬鹿げており、反論しても研究論文にも学問的業績にもならない事に加え、エビデンスを重視せず団体の独自教義普及に依る何らかの利益供受者や、学術的常識に乏しい都市伝説の信奉者を納得させるのは困難を極めるため、2015年時点で学者による否定は、インタビューで「そんなことありませんね」と答える程度に留まっており、原田に代表されるような在野の人物が、使命感から虚偽性を暴く解説本を書いているというような状況であると述べている。 国際日本文化研究センター助教呉座勇一は、「江戸しぐさ」を偽史であると断定したうえで、従前は相手にする必要もなかった偽史・陰謀論がインターネット等により広まり、あたかも真実のように受け入れられる状況が現出しており、それが教育の場まで押し寄せようとしているが、歴史学者はもはやそれを看過すべきでないとのべている。また、歴史研究においてプロとアマを分かつものは、大学などの研究機関に籍を置いているかどうかはどうでもよく、大事なのは史料批判ができるか否かであり、原田実の『江戸しぐさの正体』については、この史料批判ができているものとして推奨している。
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