かがみびらきとは? わかりやすく解説

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かがみ‐びらき【鏡開き】

読み方:かがみびらき

《「開き」は「割り」の忌み詞正月11日(もと20日)に鏡餅(かがみもち)を下ろし雑煮汁粉にして食べること。武家では、男子具足に、女子鏡台供えた鏡餅を手や(つち)で割り砕いた町家でもこの風習をまねて行うようになった鏡割り。《 新年》「伊勢海老の—や具足櫃(ぐそくびつ)/許六

鏡抜き」に同じ。鏡割り


鏡開き(かがみびらき)

日本酒入ったを、新郎新婦小槌叩いて開け演出日本酒その場ゲスト振る舞われる。慶事なので「割る」という言葉避けて「開く」という。ちなみに簡単に開く仕組み

鏡開き

(かがみびらき から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2025/01/11 11:38 UTC 版)

楊洲周延 『千代田之御表』御鏡開ノ図(明治30年(1897年))。千代田之御表は、江戸城内での公式の場である「表」における年中行事などを大判三枚続きの浮世絵で記録した錦絵シリーズ。

鏡開き(かがみびらき)・鏡割り(かがみわり)とは、正月年神)やに供えた鏡餅を下げて食べる、日本年中行事[1]である。神仏に感謝の気持ちを示し、無病息災などを祈って[2]、供えられた餅を食べる。汁粉雑煮、かき餅(あられ)など[3]で食されることも多い。

結婚式などで酒樽の蓋を割る儀式も「鏡開き」と呼ばれている(後述)。

概要

江戸時代、新年の吉日に商家では蔵開きの行事をしたが、武家において新年の11日(もと20日)に行われる行事でなどの具足に供えた具足餅を下げて雑煮などにして食し「刃柄(はつか)」を祝うとした行事。また、女性が台に供えた鏡餅を開くことを「初顔」を祝うといった。この武家社会の風習が一般化したものである。江戸城では、重箱に詰めた餅と餡が大奥にも贈られ、汁粉などにして食べた[4]

刃物で餅を切るのは切腹を連想させるので手や木鎚で割り、「切る」「割る」という言葉を避けて「開く」という言葉を使用する[5](「開き」は「割り」の忌み言葉)。鏡は円満を、開くは末広がりを意味する。また、鏡餅を食すことを「歯固め」という。これは、硬いものを食べ、を丈夫にして、年神様に長寿を祈るためという。

鏡餅の割れ方で占いをする地域もあり、「鏡餅の割れが多ければ豊作」と言われている[6]。武家の具足式を受け継ぎ、柔道場・剣道場などでは現在も鏡開き式を新年に行うところもある。

日付

関東を中心にした地域では、年神(歳神)へのお供えが松の内1月7日)に終わったあと[7]1月11日[8]に行われる(土日祝日などにより異なる場合もある)。元々は松の内が終わる小正月1月15日)に、後に1月20日に行われていたが、徳川家光が亡くなったのが慶安4年4月20日1651年6月8日)であったため、1月20日を忌日として避け、後に松の内[9]、その後に1月11日とされた。

グレゴリオ暦新暦)になった現在、松の内が1月15日の地方では、16日以降に鏡開きが行われ、通常1月20日二十日正月)に行われる。

京都府や近隣の一部では、1月4日に行う[10]が、その理由は明確とはなっていないと言われている。

西日本では、陰暦2月15日に行われる涅槃会に合わせて、鏡餅を割って花供曽と呼ばれるあられを作って食べ、一年間の無病息災を願う風習もある。鼻くそと同音であることから「お釈迦さまの鼻くそ」とも呼ばれる。

文学

俳句
俳句季語となっている。
和歌
女性が台に供えた鏡餅を開くことを「初顔」を祝うといい、二十日(はつか)にかける縁語とした。
「よわい延ぶる歯がため」

鏡抜き

2011年中日成人式での鏡抜き

祝宴などで菰(こも)を巻き付けた酒樽(菰樽)の蓋を木槌で割って開封することも鏡開きという[11][12]。これは、酒屋では酒樽の上蓋のことを鏡と呼んでいたことに由来する[11][13]。また、この場合は鏡抜きと呼ぶこともあり、「鏡開き」と呼ぶのは誤りだという説もあるが[14]月桂冠では祝いの席では縁起を担ぎ「鏡開き」がよいとしている[5]

菰樽は輸送用で儀式用ではないが、見栄えが良いことから商人や武家が使い始め[15]、酒造会社も装飾を施した化粧菰を使うようになった[5]

酒造メーカーでは中身が満杯になった酒樽に加え、装飾を施した菰や中身を減らして価格を抑えた鏡開き用の酒樽を併売している[16]

木槌で割る前に樽を覆う菰の上だけを開ける作業が必要となるため、事前に一連の作業を終わらせ、イベントでは木槌で上蓋を叩くだけにすることが多い[5][12][17]

注釈

  1. ^ 日本鏡餅組合 2010年1月 5,086名調査「85%が鏡開きを行う」
  2. ^ 日本文化いろは辞典
  3. ^ 日本鏡餅組合アンケート:お汁粉2500・雑煮1500・その他500
  4. ^ 『定本江戸城大奥』永島今四郎・太田贇雄編、人物往来社(1968)
  5. ^ a b c d 鏡開きのいわれは? 樽酒の注文、鏡開きの準備はどのようにすればよいですか?”. 月桂冠 ホームページ. 2024年1月21日閲覧。
  6. ^ 『農業新聞(2011.1.11号)』「四季」
  7. ^ allabout 「鏡開き」をまるごと解明!
  8. ^ 神社と神道
  9. ^ 江戸では寛文2年1月6日1662年2月24日)、江戸幕府により1月7日までとされた。
  10. ^ 奈良新聞 天理教
  11. ^ a b 鏡開き|知る・楽しむ|月桂冠 ホームページ”. 2016年12月9日閲覧。
  12. ^ a b 鏡開きの基本知識 | 贈るこころ | 清酒 | 商品紹介 | 宝酒造株式会社”. www.takarashuzo.co.jp. 2024年1月21日閲覧。
  13. ^ 日本酒歳時記・冬|知る・楽しむ|月桂冠 ホームページ”. 2016年12月9日閲覧。
  14. ^ 豊島秀雄 (2001年1月1日). “「鏡開き」と「鏡抜き」どの表現でもよい?”. ことばQ&Q. NHK放送文化研究所. 2005年3月18日時点のオリジナルよりアーカイブ。2011年10月2日閲覧。(そこから、「四斗樽(72L入りの酒樽)を開ける」とも言われる)。
  15. ^ 樽酒の鏡開きに込められた意味とは 声かけの回数も決まっていた?”. ウェザーニュース. 2024年1月21日閲覧。
  16. ^ 商品情報 | もっと、美味しく、美しく。日本盛株式会社”. www.nihonsakari.co.jp. 2024年1月21日閲覧。
  17. ^ 鏡開きの基礎知識”. 瑞鷹株式会社. 2024年1月21日閲覧。

関連項目

外部リンク


かがみびらき

出典:『Wiktionary』 (2021/08/11 08:19 UTC 版)

名詞

かがみびらきき】

  1. 正月供え鏡餅割ってする年中行事鏡割り新年季語
  2. 祝賀会などで、酒樽木槌叩き割って開けること。鏡割り鏡抜き

語源

行為としては「割る」であるが、この語は縁起良くないため、「開く」に置き換えた

発音(?)

か↗がみび↘らき


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