【A380】(えーさんはちまる)
ボーイング社のB747に対抗しうる大型旅客機とすべく、エアバス社が開発した超大型旅客機。
開発当初はA3XXと呼ばれていた。
世界初の総2階建て客室を持つ旅客機で、3クラス(ファースト、ビジネス、エコノミー)の仕様では約555席を収容し、1クラス(オールエコノミー)では約800~850席を収容できる。
2005年1月に完成し、同年4月27日に初飛行。
当初は2006年以降に引き渡しが行われる予定としていたが、開発スケジュールが大幅に遅延し、ローンチカスタマーであるシンガポール航空に引き渡されたのは2007年10月になってしまった。
コックピットは従来開発されたA320ファミリー・A330・A340のレイアウトとは大きく異なり、縦長で大型の液晶ディスプレイを8列並べるスタイルを取っているが、フライバイワイヤーはそのまま引き継いでいる。
エアバス社のホームページ内にあるAirbus A380 Navigatorにて、製造過程にある機体の写真や開発の経緯などを見ることができる。
参考リンク(http://www.airbusjapan.com/product/a380_backgrounder.asp)
性能諸元(A380-800)
乗員 | パイロット2名(機長・副機長) |
乗客定員 | 525名(3クラス)/853名(モノクラス) |
全長 | 73.00m |
全高 | 24.10m |
全幅 | 79.80m |
翼面積 | 845㎡ |
運行自重 | 277,000kg(277t) |
最大離陸重量 | 560,000kg(560t) |
ペイロード | 66,400kg |
エンジン | ロールスロイス トレント970 又はエンジン・アライアンスGP7270ターボファン×4基 |
エンジン推力 | 311kN(69,915lbf) |
速度 (最大/巡航) | マッハ0.89/マッハ0.85 |
最大航続距離 | 14,800km |
巡航高度 | 13,100m |
離着陸距離 (離陸/着陸) | 3,200m/2,500m |
主な派生型
- A380-800
基本型。3クラス555席。 - A380-800C
メインデッキの一部を貨物室としたコンビ型。397席~454席。 - A380-800S
A380-800の短距離型。 - A380-800F
A300-800の純貨物型。150t以上のペイロードを持ち、航続距離は10,400kmである。
完成すればAn-124を超え、世界最大の貨物機となるはずだったが、A380シリーズ全体の開発スケジュール遅延により、当初の顧客からの発注が全てキャンセルされたため、実機の生産はまだ行われていない。 - A380-800R
A380-800の航続距離延長型。 - A380-900
A380-800の胴体延長型。3クラス656席。 - A380-900S
A380-900の短距離型。 - A380-700
A380-800の胴体短縮型。3クラス480席。
このうち、実際に生産されているのは基本型のA380-800のみである。
エアバスでは、当分の間は-800型に生産・販売を集中し、それ以外の型については今後、顧客からの要望があれば開発・生産を検討することとしている、という。

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