『真夏の夜の淫夢』
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「コートコーポレーション」の記事における「『真夏の夜の淫夢』」の解説
正式なタイトルは『Babylon STAGE34 真夏の夜の淫夢 the IMP』で、COATのブランドである「Babylon」シリーズの34作目にあたり、2001年7月20日に発売された。これはストーリーに繋がりを持たない4つの章から成るオムニバス形式の全90分の作品である。タイトルはシェイクスピアの戯曲『真夏の夜の夢』から。本作品の第四章に登場する「田所」(通称「野獣先輩」)の台詞はインターネット上で人気となり、後述の人気の最大の要因ともなっている。「野獣先輩」の由来は第四章のタイトルである「昏睡レイプ!野獣と化した先輩」から取られたものである。 2002年の夏ごろから2ちゃんねるなどのインターネット上で、本作の第一章に当時六大学野球でプロ入りが確実視されていた多田野数人そっくりの男優が野球部の後輩たちと出演しているという噂が流れるようになり、『週刊現代』の取材に対して当時の立教大学硬式野球部監督・斎藤章児がその事実を認めた。この事をきっかけとして、ネット上に於いて本作の存在が広く知られるようになった。動画投稿・配信サイト「ニコニコ動画」においては2010年頃からこの作品を題材とした動画投稿が急増し、増加の一途を辿っている。人気の動画のランキングとも言える「ニコ動人気タグトレンド」の2014年3月4日から10日においては、他のあらゆるジャンルを差し置いて関連動画の人気は1位となり、2015年5月においても5位にランクインした。 また、本作やその関連作品中の台詞(通称「淫夢語録」)や動画を用いた「MAD動画」もしくはそれに類するものの製作や、全く関係の無いゲームのプレイ実況動画に台詞もしくは音声を入れ込んでくるなど、日本のインターネット社会、特にニコニコ動画界隈における人気は高い。また人気のアニメやニュースなどに「淫夢」との一致部分を見いだし騒ぎとして楽しむ(通称「問題シリーズ」)などといったことも、ネットニュースで取りあげられている。 「真夏の夜の淫夢」に関連するネットスラングとして「微レ存」(「微粒子レベルで存在している」の略)がある。Amebaが行っている「JCJK流行語ランキング」(JCは女子中学生、JKは女子高生の意味である)では、2014年に「淫夢語録」である「微レ存」が10位にランクインしている。 第四章の野獣先輩の他の出演作がインターネットユーザーに発見されたことなどから野獣先輩の人気が徐々に上昇、2016年には8月10日を8(や)10(じゅう)の日と掛け、当日はTwitter上で、元ネタがゲイビデオであると知らないユーザーまで巻き込み、「#野獣の日」のハッシュタグが終日トレンド入りする事態となった。同年にはネット配信番組において、タレントの大島薫が野獣先輩が現在何をしているのかを突き止めようとする企画を立ち上げるも、プライバシーの侵害に当たるとして中止されるといった事も起きている。 日本大学法学部新聞学科専任講師の平井智尚は、ニコニコ動画において真夏の夜の淫夢に関連する動画を「一定の視聴を集めながらも、特定の圏域以外での言及がはばかられてきた」とした上で、その理由として「性的マイノリティを対象としたポルノグラフィであるがゆえに倫理的制約が高くなること」「動画の大半が元ネタに関連する人物を笑いものとして扱っていること」を挙げている。
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