『偽ベロッソス書』とは? わかりやすく解説

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『偽ベロッソス書』

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 21:51 UTC 版)

伝承上におけるブリタニア王の一覧」の記事における「『偽ベロッソス書』」の解説

15世紀後半カトリック教会聖職者古代史学者であったヴィテルボのアンニウスは、古代メソポタミアカルデア多く記録残した歴史家ベロッソスノアについての史書発見した。それに拠れば大洪水の後、ノアの子ヤペテ末裔が「ケルティカ」と呼ばれた土地移住したとされ、1498年に『古代雑篇』(Antiquitatum)と題する書物として発表された。ケルティカを治めたヤペテ末裔達は、別の歴史家ラファエル・ホリンシッドによってブルトゥス王の登場置かれる形で列記された。 初代サモテス(Samothes)或いはディス・パテルDis Pater、ローマ神話死神):人類の祖たるノアの孫(ノア息子ヤペテの子二代マグヌス(Magus):サモテスの子 三代サロンSaron):マグヌスの子 四代王ドルイス(Druis):サロンの子ドルイドの祖 五代バルドゥス(Bardus):ドルイスの子バードの祖 六代アルビオンAlbion):ネプトゥヌスローマ神話水神の子巨人族として王位を奪うがユピテルローマ神話主神の子ヘラクレス)に倒される七代ブルータスアイネイアース末裔破壊されたケルティカに流れ着き、自らの名を与えてブリタニアとする。 当初、このノア伝説ブリタニア神話結びつき広く支持されブリタニア神話前編としてノアの孫サモテスとその一族伝承付け加えた。しかし後に『古代雑篇』に記録されベロッソスの物とされていた史書が実はヴィテルボのアンニウスによって捏造された偽書である事が判明し、この史書は「偽ベロッソス」(Pseudo-Berossus)と蔑称されるようになった。 しかし直ち偽書描かれ七人の王については神話から取り除かれる動きにはならなかった。理由七人の王の伝説ある程度は他の記録においても登場している事(六代アルビオン七代ブルータス)、聖書の特に旧約聖書部分位置する伝承と結びついた王(初代サモテス)が宗教的価値観合致したからである。1548年歴史家ジョン・ベールによる『Illustrium majoris Britanniae scriptorum』から、1611年文学者アンソニー・ムンデイの『A briefe chronicle』に至るまで100年以上に亘り引用され続けてきた。だが17世紀頃には流石に信憑性薄さ認識され、もはや古代史研究する者の間でも用いられなくなった。ジョン・スピード(英語版)、ウィリアム・キャムデンウォルター・ローリーらは早い段階で「偽ベロッソス」の記録古代史研究から除外した事で知られている。

※この「『偽ベロッソス書』」の解説は、「伝承上におけるブリタニア王の一覧」の解説の一部です。
「『偽ベロッソス書』」を含む「伝承上におけるブリタニア王の一覧」の記事については、「伝承上におけるブリタニア王の一覧」の概要を参照ください。

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