『アメリカ独立戦争の女達』
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「エリザベス・F・エレット」の記事における「『アメリカ独立戦争の女達』」の解説
1846年頃、エリザベスは歴史に関する大作に取り掛かった。それはアメリカ独立戦争に捧げられ、積極的に関わった女性の生涯を取り上げるものだった。エリザベスは、出版されていない手紙や日記を探し、独立戦争時代の者の子孫やフロンティアの女性をインタビューすることで、これを行っており、そのようなことを行う独立戦争に関する最初の歴史家となった。「(男の側の)行動史については史料が豊富にある」ことに注目し、これに女の側から語ることで平衡を取ろうとした。その女性達を建国の「母たち」と呼び、「その後の世界に火を点け、明かりを投げかけることになった市民の自由愛に関する国内の聖域を養う場所」を与えたと言った。 女性愛国者に関する多くの情報を得て、それが1848年に2巻本で出版された『アメリカ独立戦争の女達』 初版となった。この著書は読者に受け入れられたので、さらに資料を追加して3巻目が1850年に出版された。後の歴史家達はこれらがエリザベスの最も重要な作品になったと考えている。エリザベスは『アメリカ独立戦争の国内史』も著し、同じ資料を叙述的形態で要約し、やはり1850年に出版した。 エリザベスはあらゆる植民地と社会の全ての階級の女性の話を語ったが、例外としてアフリカ系アメリカ人の役割は無視することにした。彼女が書いた女性の中には、マーサ・ワシントン、アビゲイル・アダムズ、マーシー・オーティス・ウォーレン、アン・エリザ・ブリーカーなど、彼女達自身の功績で既に著名な者もいた。エリザベスはもっと知られていないが、前述の女性達と同じくらい価値ある功績を残した女性達についても書いた。英雄達の妻は、イギリス軍の侵略を前にして、勇敢に子供達を育て、家を守った。エリザベスは、「生まれたばかりの共和国の運命について、女性愛国者の与えた広大な影響を今賞賛するのはほとんど不可能である」と記した。 選集編集者で批評家のルーファス・ウィルモット・グリスウォルドが、この本の制作でエリザベスを援助し、彼が会員だったニューヨーク歴史協会の記録類に触れることを認めた。しかしエリザベスは、グリスウォルドの援助を認めなかったので、悪意ある彼を怒らせた。グリスウォルドは書評の中で、「彼女自身よりも我々の公的および家庭内の経験について良く知っている幾人か紳士の援助を得て、彼女は貴重で興味ある作品を作成した」と記していた。
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