「TBSは死んだ」
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/02 17:40 UTC 版)
「TBSビデオ問題」の記事における「「TBSは死んだ」」の解説
1996年(平成8年)3月25日、TBSは一転してビデオテープを見せたことを認めて謝罪する事態に至った。同日夜放送の『筑紫哲也 NEWS23』の番組コーナー『多事争論』で、筑紫哲也は次のように語った。 報道機関というのは形のある物を作ったり売ったりする機関ではありません。そういう機関が存立できる最大のベースというのは何かといえば、信頼性です。特に視聴者との関係においての信頼感であります。その意味で、TBSは今日、死んだに等しいと思います。過ちを犯したということもさることながら、その過ちに対して、どこまで真っ正面から対応できるか、つまり、その後の処理の仕方というのが殆ど死活に関わるということを、これまでも申し上げてきました。その点でもTBSは過ちを犯したと私は思います。そして、今日の発表の結果というのも、まだ事は緒に就いたばかりで、これからやるべき事はいっぱい残っているだろうと思います。その中で、自分たちがどういう事を考え、何をやっているのかという事を、もう少し公開すると言いますか、きちんと説明するということも一つの勤めだろうと思います。 実は、こう言うことを申し上げるべきではないのかもしれませんが、今日の午後まで私はこの番組を今日限りで辞める決心でおりました。私はTBSの社員でもありませんし、直接、事件のことを知っている訳でもありませんけれども、信頼性と視聴者の関係で言えば、TBSの顔の役割を果たしてきただろうと思います。その責任もあるのではないかと考えまして、その後、番組が始まるまで、スタッフや局内の人達と随分長い議論をいたしました。 ここまで落ちて、一旦死んだに等しい局ですけれども、これから信頼回復のために、あるいは蘇るために、努力をしようとしている人たちもいます。ある意味では、みっともない事だとは思いますけれども、とにかく、その人たちと一緒に、しばらくの間はその為の努力をしたいと思います。これまでも局内で、あるいは番組でもいろいろな自分の意見を申し述べてきました。これからも一層その努力をして、テレビのあり方も含めて、これを機会にして大いにきちんとすることが、せめてもの坂本ご一家に対する償いではないかと思っております。 坂本弁護士事件実行犯の公判後、TBSが一転してビデオをオウム信者に見せたと認めたことも、世論のTBS不信を高まらせた。1996年(平成8年)4月30日のTBS特別番組「視聴者の皆様へ」では、当初オウム幹部へビデオを公開した事実はないとしながらも、後にこれを正反対の結論へ転じたことは、視聴者・国民の皆様の信頼を裏切ったとして、冒頭で社長自ら謝罪の言葉を述べている。
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