「レボリューション1」
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「レボリューション (ビートルズの曲)」の記事における「「レボリューション1」」の解説
「レボリューション」のレコーディングは、1968年5月30日にEMIスタジオのスタジオ2で開始された。なお、この日は『ホワイト・アルバム』のレコーディング・セッションの初日にあたり、本作が同セッションで最初に取り組んだ楽曲にあたる。4トラック・レコーダーのトラック1にレノンのアコースティック・ギター、マッカートニーのピアノ、リンゴ・スターのドラムが録音され、これをリズム・トラックとして使用。テイク13の録音前には、マッカートニーを主導にフランスで発生した内戦を題材とした即興曲が演奏されたが、これは未発表となっている。 テイク14の録音時にジェフ・エメリックとジョージ・マーティンは、ギター用のマイクから異常音を拾うことに気づいた。これはオノ・ヨーコがあらかじめ録音していたさまざまな音の抜粋を流していたことによるもので、これがテイク18のベースとなった。同日に使用されたテープの残りの3つのトラックにレノンの2種類のボーカルとマッカートニーのベースが録音され、トラック2にさまざまな機械音、トラック3に曲の後半部分で聞こえる「ストロベリー・フィールズ・フォーエバー」と同じくフルートにセッティングしたメロトロンの音が録音され、この残ったトラックの中にマッカートニーが「ラヴ・ミー・ドゥ」のサビを歌っている声やレノンのボーカル・パフォーマンスも録音された。このテイク18は、2018年に発売された『ザ・ビートルズ (ホワイト・アルバム) (スーパー・デラックス・エディション)』に収録されている。 翌日にテイク18に入っているギター、ベース、ドラム、ピアノをトラック1に、2種類のボーカルをトラック4にまとめてミックスし、別の4トラック・レコーダーに移された。レノンは、なかなかこの曲のボーカルで気に入ったテイクが録れず、挙句の果てにはスタジオの床に寝転がってボーカル録りを行った。その後にレノン、マッカートニー、ハリスンのバッキング・ボーカルをトラック2とトラック3に録音し、6月1日にスターのドラムとマッカートニーのオルガンが加えられ、テープ・ループが2本作成された。 テイク数は20に達し、この時点では「you can count me out, in(暴力革命の仲間に入れるなよ、いや入れろよ)」と歌っていた。このフレーズについて、後にレノンは「自分の感情が曖昧だから」と説明している。1990年代に流通した『From Kinfauns to Chaos』をはじめとした海賊盤に「Revolution 1」のフルバージョンの試作ミックスが収録され、2009年に流通した海賊盤『Revolution: Take ... Your Knickers Off!』には音質が上げられた音源が「Revolution Take 20」として収録された。 レノンは10分に及ぶテイクを2曲に分けることを決め、テイク20の録音から数日後に後半部分(6分)を起点として「レボリューション9」の制作を開始。同作に含まれている多数のサウンド・エフェクト、テープ・ループなどの要素は、ほとんどレノンとオノの2人で数回のセッションを経て録音・編集されたものだが、一部ハリスンが協力している。「レボリューション9」には40以上の素材が使用されており、テイク20のコーダに含まれているレノンの「right」や「alright」という叫び声や、オノの「You become naked」という語りなどが最終ミックスで確認できる。 6月21日にテイク20の前半部分にハリスンのリードギター、トランペット(2本)とトロンボーン(4本)で構成されるブラス・セクションがオーバー・ダビングされ、「レボリューション1」という正式なタイトルが付けられた。最終的なステレオ・ミックスは6月25日に完了した。アルバム『ザ・ビートルズ』に収録されている最終ミックスの冒頭では、ジェフ・エメリックが慌てて「Take 2」とアナウンスする声が確認できる。
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