《胎嚢》の正しい読み方
「胎嚢」の正しい読み方
「胎嚢」の正確な読み方は、「たいのう」である。医療用語のひとつであり、出産に関係する言葉だ。そして、妊娠の状態を確認するために欠かせないため、一般の人にも馴染みがある。原則として読みは「たいのう」のみであり、「胎」の「はら」や「嚢」の「ふくろ」といった訓読みは使用しない。また、「嚢」には「どう」という読みがあるが、「胎嚢」を「たいどう」と読むことはない。「胎嚢」の意味解説
「胎嚢」とは、妊娠初期にできる、胎児を包む袋のことである。中は羊水で満たされていて、胎児の成長に適した環境になっている。また、妊娠が順調に進んでいることを示す要因のひとつでもある。胎嚢ができていなければ、子宮外妊娠になっている可能性がある。妊娠検査によって陽性となると、妊娠していることは明らかになるが、その妊娠が正常なものかどうかまではわからない。胎嚢があることが確認され、やがて胎児になる胎芽と、その心拍が認められると、まずは問題なく妊娠ができているということになる。なぜ「たいのう」と読むのか・理由
「胎嚢」の読みである「たいのう」は、漢字を音読みで統一してある形である。熟語は一部の例外を除いて、音読みが使用されるため、特に問題のある読みではない。「胎」という字の訓読み「はら」は、「胎む(はらむ)」という風に、送り仮名が付く場合に限られる。また、「嚢」の「ふくろ」と読むのは、熟語ではなく「嚢」単体で使用する場合がほとんどである。したがって、「胎嚢」の読み方は、音読みの「たいのう」となるのが自然だ。「胎嚢」の類語・用例・例文
「胎嚢」は、妊娠初期の胎児を包んでいる袋そのものを指す。例文にすると、「今日の検査で、胎嚢があることがはっきりわかった」「胎嚢ができていたため、子宮外妊娠の可能性はなくなった」といった形になる。また、「流産してからしばらくして、胎嚢が出てきた場合は、医療機関に相談しなければならない」のように、胎児が入っているかどうかに関係なく、袋自体を指すこともある。「胎嚢」の類語としては、「卵膜(らんまく)」が挙げられる。胎児の成長に合わせて、胎嚢が成長したものである。そして、妊娠初期に胎児を包んでいるものを胎嚢、ある程度期間が成長したものを卵膜という風に区別する。また、卵膜は内側から、胎児をウイルスや細菌から守る「羊膜(ようまく)」、母体と胎児の栄養交換を司る「絨毛膜(じゅうもうまく)」、子宮内膜が変化した「脱落膜(だつらくまく)」という、3つの膜による層が形成されている。その3つの膜も、胎嚢の類語と言えるだろう。
「胎嚢」の英語用例・例文
「胎嚢」を英語で表現する場合、「fetal sac」を使用する。「fetal」が「胎児」、「sac」が「嚢」を意味する単語だ。「fetal」はアメリカ英語であり、イギリス英語では「foetal」を使用する。いずれの場合も意味は変わらない。また、「妊娠中の」という意味の「gestational」を使って、「gestational sac」と表現することも可能だ。それらの表現を使って例文を作ると、「I am going to have a test today to see if I have a fetal sac.(今日は胎嚢の有無を確かめる検査を受ける)」「I ask my doctor what to do with the gestational sac I have.(手元にある胎嚢をどうすれば良いのか、医師に相談する)」といった形になる。《胎嚢》の正しい読み方
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