《腎》の正しい読み方
「腎」の正しい読み方
「腎」の読みは「じん」である。古語では「むらと」とも読む。「賢」と似た形をしているが「けん」や「かしこい」とは読まない。「腎」の意味解説
「腎」は腎臓を意味する文字である。東洋医学では五臓六腑という考えがあるが、これは人体の中には五つの臓と六つの腑があり、それぞれ固有の働きがあるというものである。臓は中身が詰まっている臓器、腑は中身が空洞の臓器を意味している。腎は五臓の一つとされ、現在の腎臓とほぼ同じ捉え方だ。「むらと」と読んでいた古い時代には臓器全般を意味する文字として使われていた。これは古くから人体には臓器が入っていることが知られていた証でもある。臓器は生きるのに不可欠な器官であり、非常に重要な物と言っても過言ではない。体の具合の良し悪しを腎の状態で表現するなど、腎は人の体を形作る重要な器官と見なされていたのである。そこから転じて腎は非常に重要な事柄の意味も持つようになり、「肝腎かなめ」という言い回しが生まれたとされている。似たような意味を持つ「肝」の文字と組み合わせて、大切な所を意味する「肝腎」という言葉も生まれた。「肝腎」は「肝心」とも書くが、これは「腎は体だけではなく心の形成にも深く関わっている」という考えに基づいている。古代中国では腎臓は精液を作る臓器とも考えられていた。高齢などの理由で性交ができなくなり、体調不良に陥った状態を「じんきょ」と読んで「腎虚」と記していたが、これは「腎臓の中身が空っぽになった」という意味がある。なぜ「腎」と読むのか・理由
「腎」を「じん」と読むのは音読みに沿った読み方のためである。「腎」の類語・用例・例文
「腎」の類語には「肝」「胆」があり、読みはそれぞれ「かん」「たん」である。臓器の一種である「肝臓」「胆のう」を意味する言葉だが、古くは「腎」と同様に臓器全般を示していた。「かん」は「きも」とも読み、もっとも重要な点という意味も持つ。例文としては「彼は昔から腎臓を患っている」「美味しい料理作りはここが肝」「胆大心小の心構えで挑む」などがある。「腎」の英語用例・例文
「腎」を英語で表記する場合、臓器の一種である腎臓としての意味では「nephro」になる。重要なことを示す意味での「腎」なら「important」が適している。類語として肝臓を意味する「kidney」や注目点を英語に訳した「point」などがある。例文としては「腎臓の検査を受ける」が「have a nephro test」、「腎臓と肝臓の違い」が「Difference between nephro and kidney」と英訳できる。注目点の意味を持つ「腎」を英訳すると「肝腎かなめ」は「key point」となる。- 《腎》の正しい読み方のページへのリンク