碧空高校生徒
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/02/23 05:46 UTC 版)
※声優はOVA版でのもの。 北野誠一郎(きたの せいいちろう) 声 - 飛田展男 主人公。生年月日は昭和51年6月6日。碧空高校1年11組に転校してきた、天使の様に純朴で優しい心と、悪魔の如き凶悪で恐ろしい顔を持つ少年。 転校前の学校では理解されていたが、碧空高校ではその容貌故に当初から不良か危険人物と誤解されてしまう。様々な偶然や勘違いの連鎖により、転入早々番長グループや「暴れん坊」竹久を倒し、意図せずして番長となって学校を恐怖に陥れた。不良高で名高い白雲高校との間でトラブルが起き、白雲のグループが竹久を不意打ちで倒すと、それを見殺しにした元番長の黒田らは北野からの制裁を恐れて前述の白雲グループに逆襲し、報復に成功する。弱小で知られた黒田らが北野への恐怖の余り、格上の不良を倒したこの事件をきっかけに「北野誠一郎伝説」が生まれ、噂は碧空町を越えて広まっていく。性格・人柄 学業優秀。真面目で正義感が強く、人一倍優しい性格。かなりの世間知らずである上に天然ボケの気質が見られる。基本的に大人しい性格で目立つような行動及び暴力行為などはしないが、ちょっとしたことが結果的に誤解を招いたり、話が大きくなってしまい「北野くんが〇〇高の番長をやっつけた」などと本人の意図とは関係なく噂が勝手に広まってしまう。しかし、碧空高校に来るまでは、周りから真面目で優しい性格を知られていたため、自分が恐れられている原因(自分の容姿が恐ろしいこと)に気付いていない。その上、気弱で挙動不審な行動も相まって周囲の誤解と偏見に基づく恐怖を増幅させていくが、容貌とは裏腹に決して粗暴な振舞いをしない北野に対して、一般生徒らも徐々に恐怖のみならず親しみを抱くよう(ただし、本当の北野を知ったと言うより、『筋を通すタイプの不良で、攻撃しなければ手を出してこない』という認識によるもの)になっていく。 生まれつきの体質・能力など 本人は全く自覚していないが、飛び抜けた反射神経と動体視力、身体能力を持つ。 前述の通り暴力行為はしないが、自身が身を守る時もしくは小磯などに危害が及びそうな時に「相手の打撃を受けつつ流して、クリーンヒットを巧みにかわし、ダメージをほとんど無効化する」という、高等な格闘技のディフェンス技術を無意識の内に使っている。「いくら殴っても立ち上がる北野に相手が恐怖に呑まれ、大振りの一発を繰り出したところへカウンター気味に決まる、渾身の力を込めた双掌打(ただ無我夢中で突き飛ばしてるだけ)」は激しい衝撃を生み、相手を数メートル上空に突き飛ばして瞬時に気絶させるほど。しかし、この技術は、余程の熟練者でない限り気付くことはない。 幾奶によると、生まれつき速筋繊維に恵まれているらしく、穴に転落した際に沙南を抱えて壁の凹凸をマリオよろしく飛び跳ねて脱出しようとしたこともある。さらに、マラソン大会で学生新記録を達成した(幾奶の誠一郎が10位以内に入れば良子がキスをしてくれると言うのを、黒田が勘違いして半ば強引に決闘状態となった為)事から、遅筋繊維にも優れている。この部分が優れている理由として、引っ越し後の周囲の散策を兼ねてジョギングをしていることが多いためトレーニングの成果と思われる。 驚いたり感情が昂ぶると「きえええええええっ」と怪人のように叫ぶ。本人はその「きええええ」を発するごとに何かを言おうとしているが、周りからはヘンな叫び声にしか聞こえないため、「北野が奇声を発して襲ってきた!」とまた誤解される。北野本人もまた、動転の余り舌が回っていないことを全く自覚できていない。 幾奶や元に受け流せない打撃を何度も受けて立ち上がっており、父譲りのタフさも兼ね備えていると思われるが、タフさを発揮したのは北野が覚悟と意思を持った場合である。 視力が悪いため、コンタクトレンズをしている。体質的に太陽の光に対して目が弱く、日差しが強い日には眩しい表情を見せる。前述のとおりの悪魔のような顔のせいで「今日は一段と北野くんが機嫌悪くて、朝からガン飛ばしてる(ガンつけてる)ぞ!」と誤解されるエピソードがある。 普段の髪型は、髪質的に広がりやすいため、いつもはポマードできっちり固めてオールバックにしている。あるエピソードでたまたま使っていたポマードがなくなりかけて、仕方なく少ない量で整髪して「髪の毛が爆発した姿なんて恥ずかしくて見られたくない。なんとかこの状態を保たないと」と気を張っていた。しかし固まりきらず、ついに四方八方に髪の毛が逆立ってしまう。これもまた他の生徒から「(理由は分からないが)朝から怒りで気を張っていた北野くんが(文字通り)怒髪天をついたぞ!」と誤解を招いた。 戦績:18勝 1敗 2引分 2無効(1敗は良子の機転による物であり、実際には無敗) 小磯良子(こいそ りょうこ) 声 - 櫻井智 碧空高校1年7組の女子生徒。黒髪と三つ編みの髪型が特徴的な美少女。父親が古武術の道場を構えており、彼女自身武道の達人である。本作登場人物内でも屈指の実力者。得意技は、相手のアゴを捉える蹴り上げ。タチの悪い不良などは見過ごせない正義感の強い性格で、最初は北野を「許せない不良」と誤解して決闘を申し込むが、北野の本当の姿に気付き、碧空高校での北野の最大の理解者となり、時に彼が騒動に巻き込まれないよう陰で不良の相手を引き受けるようになる。また、北野と会うまでは負けん気の強さで友人にも怖がられていた部分があったが、噂と容姿で判断する浅はかさを反省してからは穏やかさを増した様子。この後、北野と両想いになるも常に周囲には人の姿が多く、北野のグループ内で行動していた。幾奶が転校してきた際、北野が彼女とは戦えないであろうことを理解した上で、勝負を代わりに引き受け、彼女に敗北の意味を知らしめた。その後は幾奶と親しくなり、親友の郁子と3人で行動する姿も良く見られた。幾奶とのコンビネーションは激昂した竹久すらあっさり押さえ込む。苦手なものはオバケ(「実体がなくて理屈が通らず、何より殴る蹴るで反撃できないなんてインチキだ」という理由による)。 名前の由来は小磯良平より。戦績:13勝 1敗 1引分 1無効 黒田清吉(くろだ せいきち) 声 - 石井康嗣 碧空高校の生徒で前番長。3年4組。パンチパーマの髪型でかなりの巨体。いつも2人の舎弟を連れている。 番を張っている割には気が弱く、「噂の転校生」である北野をシメようとするもその容貌に恐れをなしてしまい、さらには北野に殺されかけた(実際には事故である)と思いこんだことであっさり北野の下につく。また番長になれた経緯も不良グループで2年間パシリを続けて、先輩が卒業した後にやっと番長になれたと言う物で彼の実力ではない。 北野には恐怖心から従っている。自分より弱そうな人間には強気に振舞い、逆に強そうな人間(竹久・幾奶を除く)には下手になるなど卑屈な性格。学力は低く、また須田や舎弟の嘘や甘言に踊らされるなど、単純な思考回路の持ち主。 小磯良子にベタ惚れしているが、本人からは鬱陶しがられている。北野に服従しているが、失った番長の座への未練と小磯への恋情から、たまに反乱を起こそうとするがいつも失敗している。 口だけの男に見られがちだが体格、基本的な身体能力に恵まれているため、「眠れる獅子」を起こすと強く、窮地では度々力を発揮しているが、臆病な性格と要領の悪さから普段はそれが熟睡しているため、戦績は芳しくない。また、多人数を相手に舎弟2人と上手く立ち回って孤立した敵を袋叩きにするコンビネーションがある。 名前の由来は黒田清輝より。戦績:4勝 13敗(時山、大下と一緒の場合を含む) 竹久優二(たけひさ ゆうじ) 声 - 津久井教生 第2話で登場。1年11組の生徒。小柄だが、中学時代には「海千中の暴れん坊」と言われるほどの実力者で、入学早々に教師(岸田)を殴って停学となった。生まれつき茶色がかった髪だったが、停学明け以降は金髪にした。停学中に番を張ることになった北野に勝負を挑むも、敵わないと判断して自ら北野の舎弟となる。北野が転校以来初めて出来た友人でもある。 北野には忠誠心から従っている。物語終盤に北野が不良ではないことに気付いた後でも、一時は葛藤したが、彼を陥れようとせず、彼と良子の関係を黒田から守ったりと友情に厚い性格をしている。粗野な性格で、感情が昂るとすぐに暴力に訴えようとするが、理由も無く一般生徒をはじめ弱者に手を挙げる事はしない。 マラソン大会で北野を一位にしようと画策したり、北野と良子が二人きりになるために配慮したり、北野を襲撃しようとする他校の不良を先に潰しておくなど、非常に気配りのできる人間。 北野に付いた後も様々な闘いを経ることで強くなっていき、仲間内でも上位の実力を保持しており、幾奶と出会った初期にも、彼女の不意を突いた裏拳をかわすほどである。 名前の由来は竹久夢二より。戦績:11勝 3敗 荻須高志(おぎす たかし) 碧空高校に転校した一年生。1年7組。赤髪、三白眼が特徴。転校日早々に学校をしめようとするが、対決したすべての人間に返り討ちに遭う。黒田以上に単純な性格で、黒田が番長、北野がナンバー2という黒田の嘘を鵜呑みにしている。良子と同じく1年7組。純粋に強さを求めていて、幾奶によく果たし状を出し、平三に稽古を挑んでいるが、いつもボロボロに叩きのめされている。(自称)様々な格闘技に精通しており、碧空転校以前は喧嘩で負けたことの無いという実力者だが、碧空町では周りがさらに強者ばかりなため、いまひとつ力をアピールできず、自らの実力に伸び悩みを感じてしまう。最終的には「上には上がいる」ことを認めて吹っ切れ「碧空高校ナンバー8」を名乗る。 文庫版完結に際して書き下ろされた集合イラストにおいては、ノドに追いやられて不満の声なき叫びを上げている。 名前の由来は荻須高徳より。戦績:1勝 8敗 白滝幾奶(しらたき いくの) 北野を更生するため、父親と共に他校から派遣された格闘美少女。茶髪のおかっぱ頭。良子と同じく、パワーより技術・スピードを重視するスタイル。しかし、非常に好戦的な性格と言う点で正義感の強い良子とは異なる。得意技は、溜めや予備動作のまったく無い状態から放たれる裏拳。転校初日に暴漢騒ぎを起こし、北野や良子を敵視するが、後に北野が不良ではないことが分かり和解する。クールで近寄りがたい雰囲気を持つ少女だが、北野の恐怖を乗り越えた同級生からは親しまれ、男女問わず人気が高く、多くの人から存在を受け入れられることで、徐々に心を開いていく。歯に衣を着せない発言は多いが、本音を言うときも冗談を言うときも表情や態度に変化はないため見破りにくい上、端折って誤解しやすい言い方もする。北野と良子の仲を認めた上で、「(北野の)愛人の立場でいい」と冗談か本気か分からない発言をして、周囲を驚かせた。黒田からは「茶髪のくそ女」⇒「茶くそ女」というとんでもないあだ名を付けられている。1年12組。 彼女は作者・八木教広の最新作『CLAYMORE』の主人公、クレアの原型でもある。 名前の由来は白瀧幾之助より。戦績:9勝(公式) 1敗 2引分 時山五郎(ときやま ごろう) 声 - 志賀克也 黒田の舎弟。3年4組。オールバックの髪型。自称「碧空の爆発五郎」。黒田からはかませ犬役を任されたりするなど、損な役回りが多い。 大下次郎(おおした じろう) 声 - 有馬克明 黒田の舎弟。3年4組。パンチパーマで眉毛が濃い方。意外と頭が切れるようで、追い詰められた時に巧みな弁解で危機を切り抜けている。 名前の由来は大下藤次郎。 平山郁子(ひらやま いくこ) 良子の親友。1年7組。幾奶に「ちっこいの」と呼ばれ、黒田からは「小磯良子の友人A」と言われる。良子から教えられたことで、彼女も北野の本当の姿を知る人間となった。作品当初では名前が公表されなかった。 至って普通の女子で格闘能力は皆無だが一番の常識家であり、北野くんと良子の仲を進展させようと気を回す事もある。 名前の由来は平山郁夫より。 佐伯祐美(さえき ゆみ) 北野に生徒手帳を拾ってもらうが、誤解から恐怖で逃げ回る。誤解が解け、挨拶を試みるが恐怖で泣き叫ぶ。三者懇談で北野龍一郎(北野の父)に出会い、また泣き叫ぶ。1年11組。 名前の由来は佐伯祐三。 樹崎真子(きざき まこ) 佐伯の親友で明るい感じの女の子。三者懇談の時、北野親子について色々想像を膨らませていた。1年11組。 碧空陸上部部長 マラソン大会で北野とデッドヒートを繰り広げゴール直前に転んでしまい優勝を逃した。 須田(すだ) 生徒会長。美男子で誰からも信頼されているが、人気を得るためには手段を選ばない人物。 知略に長けた策謀家で自分の名声を高めるために北野軍団が行った碧空公園不良退治の功績を横取りして、北野軍団を瓦解させるため、黒田を焚きつけて北野に反乱させるが、良子の暴露により失敗し、全ての生徒から人望を失う。 名前の由来は須田国太郎須田剋太より。 小出(こいで) メガネの副生徒会長。須田の忠実な配下。ストーカー並みの情報収集能力を持ち、須田のために働くが、行動はどこか間が抜けている。 名前の由来は小出楢重。
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