望遠鏡座とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 辞書・百科事典 > デジタル大辞泉 > 望遠鏡座の意味・解説 

ぼうえんきょう‐ざ〔バウヱンキヤウ‐〕【望遠鏡座】

読み方:ぼうえんきょうざ

南天星座の一。9月上旬午後8時ごろ南中し、南の地平線上に一部姿を出しているが、明るい星はない。学名(ラテン)Telescopium


ぼうえんきょう座

分類:星座/神話


名称:ぼうえんきょう座(望遠鏡座)
学名:Telescopium
小分類:南半球
構成する主な星雲星団恒星:―
神話主な登場人物:―
日本観測できる時期:日本からはほとんど見えない
見ごろ季節:夏(20時正中は9月下旬)

18世紀大航海時代名づけられた星座で、天文観測に使う望遠鏡の名をとっています。南半球星座で、さそり座の南にありますので、日本からは石垣島宮古島など相当南へ行かないと、全体を見ることはできません。星座望遠鏡らしい形をしており、細長い5角形にしっぽが付いたような姿です。しかし4等星ばかりで構成されているので、見つけにくいでしょう

1.見つけ方ポイント
さそり座の南にあり、さいだん座みなみのかんむり座はさまれ星座です。さそり座の南に目を移せば、縦に細長い下向き5角形を見つけることができます。それがぼうえんきょう座です。しかし、4等星ばかりなので見つけにくいと思います

2.神話内容について
天体観測に使う望遠鏡星座したもので、神話とは関係ありません。18世紀フランス天文学者ラカーユによって、1750年頃に作られました。ラカーユは、1718世紀発明され機器など星座名にしました。ぼうえんきょう座もそのひとつです。ラカーユ星座中には、その形から星座名を想像するのが難しいものがいくつもあります

3.同じ時期見え星座について
南半球星座ですので、夏に南半球星座一緒に見ることができます。夏なら、東にはみなみのかんむり座、西にはさいだん座みなみのさんかく座、南にはくじゃく座やインディアン座一緒に見ることができますまた、北にはさそり座いて座一緒に見ることができるでしょう

4.主要都市での観測について
夏から秋の南の空低く見え星座ですが、日本ではかなり南の石垣島宮古島などへ行かない全体見えません。

参考文献:「星座クラブ沼澤茂美著(誠文堂新光社)、「星のポケットブック」(誠文堂新光社)、「星座天体観測図鑑藤井旭著(成美堂出版)、「星座夜空四季小学館学習百科図鑑、「星座博物館・春」、「同・夏」、「同・秋」、「同・冬」、「同・星座旅行瀬川昌男著(ぎょうせい)、「星空ガイド沼澤茂美、脇屋奈々代著(ナツメ社)


ぼうえんきょう座

(望遠鏡座 から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/06/18 14:26 UTC 版)

ぼうえんきょう座
Telescopium
属格 Telescopii
略符 Tel
発音 英語発音: [ˌtɛlɪˈskɒpiəm]、属格:/ˌtɛlɨˈskɒpiaɪ/
象徴 望遠鏡
概略位置:赤経  18h 09m 14.2s -  20h 29m 50.1s[1]
概略位置:赤緯 −45.09° - −56.98°[1]
広さ 252平方度[2]57位
主要恒星数 2
バイエル符号/
フラムスティード番号
を持つ恒星数
13
系外惑星が確認されている恒星数 0
3.0等より明るい恒星数 0
10パーセク以内にある恒星数 0
最輝星 α Tel(3.477
最も近い星 GJ 754;(19.3光年)
メシエ天体 0
隣接する星座 さいだん座
みなみのかんむり座
インディアン座
けんびきょう座(角で接する)
くじゃく座
いて座
テンプレートを表示

ぼうえんきょう座(ぼうえんきょうざ、Telescopium)は、現代の88星座の1つ。18世紀半ばに考案された新しい星座で、望遠鏡をモチーフとしている。南天に位置しており、日本では九州南部以南でしか全域を見ることはできない。

主な天体

恒星

2022年4月現在、国際天文学連合 (IAU) が認証した固有名を持つ恒星は1つもない[3]

由来と歴史

19世紀イギリスの星座カード集『ウラニアの鏡』に描かれたぼうえんきょう座(右下)。

ぼうえんきょう座は、18世紀中頃にフランスの天文学者ニコラ・ルイ・ド・ラカーユによって考案された。1756年に刊行されたフランス科学アカデミーの1752年版の紀要『Histoire de l'Académie royale des sciences』に掲載されたラカーユの星図の中で、望遠鏡の星座絵とフランス語で望遠鏡を意味する le Telescopeという名称が描かれたのが初出である[7][8][9]。のちの1763年にラカーユが刊行した著書『Coelum australe stelliferum』に掲載された第2版の星図では、ラテン語化された Telescopiumと呼称が変更されている[7][10]

ラカーユがモチーフとしたのは、当時主流であった非常に長い鏡筒を持つ屈折望遠鏡である。当時の望遠鏡は精度の低いレンズを用いていたため、焦点距離を延ばすことにより色収差を低減させる必要があった[7]。そのため、ラカーユが考案した当初の Telescopium は、現在のぼうえんきょう座よりも大きく細長い領域を持っていた。たとえば、現在のいて座η星はβ、さそり座G星はγ、へびつかい座45番星はθとギリシア文字の符号が付けられるなど、他の星座の間を縫うように細長い領域が考えられていた[7]。その後、イギリスの天文学者フランシス・ベイリー1845年に刊行した『British Association Catalogue』やアメリカの天文学者ベンジャミン・グールドが1879年に刊行した『Uranometria Argentina』でその領域が切り取られたことで、現在のぼうえんきょう座はβ星やγ星のない星座となっている[7]

1922年5月にローマで開催されたIAUの設立総会で現行の88星座が定められた際にそのうちの1つとして選定され、星座名は Telescopium、略称は Tel と正式に定められた[11]。新しい星座のため星座にまつわる神話や伝承はない。

中国

中国の天文では、α星が二十八宿の北方玄武七宿の第1宿「斗宿」の「鼈(べつ)」という星官に含まれていた[12]

呼称と方言

明治期より「望遠鏡」という訳名が使われており、明治末期以降数度行われた星座の訳名見直しでも他の呼び名が採用されることはなかった[13][14][15]。漢字の読みは一貫して「ぼうえんきやう」または「ぼうえんきょう」とされ、戦後の1952年(昭和27年)7月に日本天文学会が「星座名はひらがなまたはカタカナで表記する」[16]とした際に Microscopium の日本語の学名は「ぼうえんきょう」と正式に定められた[15]。これ以降は「ぼうえんきょう」という学名が継続して用いられている。

1928年に天文同好会の編集により新光社から刊行された『天文年鑑』の第2号では「とほめがね[17]、1930年の同誌第4号では「とうめがね」という読みで紹介されていた[18]。これについて、天文年鑑の編集に携わっていた山本一清耳に聞いただけでは解りかねる日本語や,漢語萬能時代の夢よりさめて,純粹な日本語(耳で聞いただけで解る日本語)を採用するといふ意味の撤底に於いて,一般に賛成して頂けるものだと思ふ.[19]としていた。

出典

  1. ^ a b The Constellations”. 国際天文学連合. 2023年1月17日閲覧。
  2. ^ 星座名・星座略符一覧(面積順)”. 国立天文台(NAOJ). 2023年1月1日閲覧。
  3. ^ IAU Catalog of Star Names”. 国際天文学連合. 2023年1月7日閲覧。
  4. ^ "alp Tel". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年11月21日閲覧
  5. ^ "PV Tel". SIMBAD. Centre de données astronomiques de Strasbourg. 2022年11月21日閲覧
  6. ^ Durlevich, Olga. “GCVS Introduction”. Sternberg Astronomical Institute. 2023年1月17日閲覧。
  7. ^ a b c d e Ridpath, Ian. “Star Tales - Telescopium”. 2022年11月21日閲覧。
  8. ^ Ridpath, Ian. “Lacaille’s southern planisphere of 1756”. Star Tales. 2023年1月17日閲覧。
  9. ^ Histoire de l'Académie royale des sciences” (フランス語). Gallica. 2023年1月17日閲覧。
  10. ^ Coelum australe stelliferum / N. L. de Lacaille”. e-rara. 2023年1月17日閲覧。
  11. ^ Ridpath, Ian. “The IAU list of the 88 constellations and their abbreviations”. Star Tales. 2023年1月17日閲覧。
  12. ^ 大崎正次「中国の星座・星名の同定一覧表」『中国の星座の歴史』雄山閣出版、1987年5月5日、294-341頁。ISBN 4-639-00647-0 
  13. ^ 星座名」『天文月報』第2巻第11号、1910年2月、11頁、ISSN 0374-2466 
  14. ^ 学術研究会議 編「星座名」『天文術語集』1944年1月。doi:10.11501/1124236https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1124236 
  15. ^ a b 星座名」『天文月報』第45巻第10号、1952年10月、13頁、ISSN 0374-2466 
  16. ^ 『文部省学術用語集天文学編(増訂版)』(第1刷)日本学術振興会、1994年11月15日、316頁。ISBN 4-8181-9404-2 
  17. ^ 天文同好会『天文年鑑』2号、新光社、1928年6月、3-6頁。doi:10.11501/1138377https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1138377 
  18. ^ 天文同好会『天文年鑑』4号、新光社、1931年3月、3-9頁。doi:10.11501/1138410https://dl.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/1138410 
  19. ^ 山本一清天文用語に關する私見と主張 (3)」『天界』第14巻第161号、東亜天文学会、1934年8月、406-411頁、doi:10.11501/3219882ISSN 0287-6906 

望遠鏡座

出典:『Wiktionary』 (2021/08/15 23:52 UTC 版)

固有名詞

望遠鏡ぼうえんきょうざ

  1. ぼうえんきょう座

「望遠鏡座」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「望遠鏡座」の関連用語

望遠鏡座のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



望遠鏡座のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
JAXAJAXA
Copyright 2024 Japan Aerospace Exploration Agency
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアのぼうえんきょう座 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
Text is available under Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA) and/or GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblioに掲載されている「Wiktionary日本語版(日本語カテゴリ)」の記事は、Wiktionaryの望遠鏡座 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、Creative Commons Attribution-ShareAlike (CC-BY-SA)もしくはGNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2024 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2024 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2024 GRAS Group, Inc.RSS