いろ‐しゅうさ〔‐シウサ〕【色収差】
色収差
レンズを通過した光はCCDに像を結ぶ場合、正確に1点に集まるのが理想だが、実際はレンズ収差があるため多少のズレが生じる。波長によって光の屈折率が異なり、画像上で色がズレてしまう色収差もそのひとつだ。
(執筆:オーディオビジュアル評論家 藤原陽祐)
※この情報は「1999~2002年」に執筆されたものです。
色収差 chromatic aberration
- レンズに入射する電子のエネルギーのばらつきのために起きる収差。すなわち、光軸上の一点から放出された電子のエネルギー(速度)がばらついていると、レンズに入射したときの屈折率が違うため、光軸上の異なった場所に集束し、半径 r の拡がりを持つ。この拡がりは、r=CcαΔE/Eとなり、電子のエネルギー(加速電圧 E )に反比例し、エネルギーのばらつき(ΔE)に比例する。比例係数は色収差係数(chromatic aberration coefficient)と呼ばれ、Ccで表される。ここでαは開き角である。SEMは加速電圧が低いので、電子銃から放出された電子のエネルギーのばらつきが問題であり、とくに低加速電圧での影響が大きい。なお、色収差という言葉は、エネルギーの違いが波長の違いを意味することから、光学レンズにならって名付けられたものである。
関連する用語
色収差
入射電子線や試料を透過した電子線のエネルギー(波長)が様々な要因で拡がり(幅)を持つと、レンズでの屈折角度が波長によって異なるため、結像の際、像がぼけること。電子線のエネルギーの拡がりは、加速電圧の不安定、電子銃からの放出電子の初速度のばらつき、ベルシュ効果や、レンズコイルの励磁電流の変動による焦点距離の変動などで起きる。また、試料が厚くなると(10nm以上)、非弾性散乱による電子エネルギーの損失(波長の変化)もを引き起こす。
- アナプラート
- インフォーメーションリミット
- エンベロープ(包絡)関数
- ベルシュ効果
- 後方磁界
- 色収差
- 走査電子顕微鏡
- 対物レンズ(オブジェクティブレンズ)
- 励磁電流
色収差
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/10/27 01:47 UTC 版)
色収差(いろしゅうさ、英: chromatic aberration)とは、レンズ類で像をつくるときに、レンズ材料の分散が原因で発生する収差で、像の色ズレとしてあらわれる。
- ^ ミノルタAFレフレックス500mm F8(ソニーSAL500F80)のように、オートフォーカスを実現した例外もある。
- ^ a b 鶴田 (1997). 第4・光の鉛筆. ISBN 491585115X.
- ^ JIS Z 8120:2001
- ^ 鶴田 (1990). 応用光学I. ISBN 4-563-02331-0.
- ^ 光ガラス株式会社. “ECO GLASS Pg,F-νd DIAGRAM”. 2008年4月7日閲覧。
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