こと‐ざ【琴座】
こと座
名称:こと座(琴座)
学名:Lyra
小分類:北半球
構成する主な星雲、星団、恒星:M57(ドーナツ状の惑星状星雲)/ベガ(アルファ星)/ダブル・ダブルスター(肉眼では単一の星だが双眼鏡で見ると二重星、望遠鏡で見るとそのそれぞれが2重星に見える)
神話の主な登場人物:オルフェウス/エウリデュケ/アポロン/織り姫/牽牛/天帝
日本で観測できる時期:4月〜11月の約8ヵ月間
見ごろの季節:夏 (20時正中は8月下旬)
青白く輝く一等星ベガが目印の美しい星座です。ベガを中心にした三角形と、それに連なる平行四辺形からなり、明るいうえとても分かりやすい形をしています。ベガは中国や日本においては「織姫星」と呼ばれ、天の川の反対側にあるわし座の「彦星」アルタイルとともに七夕伝説の主役をになっています。
1.見つけ方のポイント
夏の天の川に横たわる白鳥座の十字形を見つけたら、鳥の尾にあたる1等星デネブから右翼の方へ視線を伸ばしてみましょう。青白い1等星ベガを簡単に見つけることができるはずです。ベガを三角形の頂点にし、平行四辺形をくっつけた小さな星座がこと座です。また、白鳥座をはさんだ天の川の向こう側に赤い1等星アルタイル(わし座)が見えます。このアルタイルとベガ、デネブが作る2等辺3角形は「夏の大三角」と呼ばれています。
2.神話の内容について
ギリシャ神話によると、この竪琴は音楽の神アポロンが名手オルフェウスに贈ったものだと言われています。不慮の死で妻エウリディケを失ったオルフェウスは、冥界へ妻を取り戻しに行きますが、あと一歩のところで失敗し、嘆きのあまり死んでしまいました。哀れに思ったアポロンは、竪琴を天上に上げて星座にしました。
中国古来の神話では、こと座の一等星ベガは天上の織り姫、わし座の一等星アルタイルは人間の牽牛で、道ならぬ恋に落ちたことから天帝の怒りに触れ、天の川で分かたれてしまいました。会えるのは7月7日の年に1度だけで、その日だけは天の川にかささぎの橋(白鳥座)がかかると言われています。
3.同じ時期に見える星座について
こと座の近くは天の川をまたぐにぎやかな星空です。こと座のベガ、わし座のアルタイル、白鳥座のデネブの3個の一等星を結ぶ「夏の大三角」をヘルクレス座、へびつかい座、やぎ座などがとり囲みます。また大三角周辺には小さいながら、や座、いるか座、こぎつね座なども存在しています。
※参考文献:誠文堂新光社「星座クラブ」(著者・沼澤茂美)、日本放送出版協会「NHK銀河宇宙オデッセイ・大星夜ウオッチング」(監修・古在由秀、NHK取材班編)、ナツメ社「星空ガイド」(著者・沼澤茂美、脇屋奈々代)、教育社「NEWTONコレクションNASA宇宙開発のパイオニアスペースシャトル/歴史と未来」(監修・竹内均)
こと座
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/01/08 15:32 UTC 版)
こと座(ことざ、琴座、ラテン語:Lyra)は、トレミーの48星座の1つ。北天の星座で、比較的小さい星座である。
注釈
出典
- ^ Ian Ridpath and Wil Tirion (2007). Stars and Planets Guide, Collins, London. ISBN 978-0007251209. Princeton University Press, Princeton. ISBN 978-0691135564.
- ^ “夏の星空を楽しもう”. AstroArts. 2013年5月11日閲覧。
- ^ 原恵 2007, p. 163.
- ^ a b c d “IAU Catalog of Star Names (IAU-CSN)”. 国際天文学連合 (2017年6月30日). 2017年10月14日閲覧。
- ^ a b c “SIMBAD Astronomical Database”. Results for NAME VEGA. 2013年1月15日閲覧。
- ^ 原恵 2007, pp. 163–164.
- ^ a b 原恵 2007, p. 164.
- ^ a b “Approved names” (英語). Name Exoworlds. 国際天文学連合 (2019年12月17日). 2020年1月2日閲覧。
- ^ 『天体望遠鏡で楽しむ星空ガイドブック』(5版)ビクセン、2009年、33頁。
- ^ 原恵 2007, p. 157.
- ^ “北天星図”. antiquesandartireland.com. 2017年10月14日閲覧。
- ^ “Atlas Céleste de Flamstéed. - Map 11. Lyra, Cygnus, Lacerta, and Vulpecula.”. Linda Hall Library Digital Collections. Linda Hall Library. 2017年10月14日閲覧。
- ^ a b Lesley Brown (1993年), The New Shorter Oxford English Dictionary. Vol. 1: A-M, Oxford: Clarendon Press, p. 1651
こと座
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/09 21:40 UTC 版)
「星・星座に関する方言」の記事における「こと座」の解説
ベガ マラフトノカ、マラプト・ノカ、マラット・ノカ、マラットノカ・ノチウ(常世の国からの客人(まろうど)である熊の形の星の意。アイヌ)、マラットサバ・ノチウ(熊の頭の星の意。アイヌ)野尻抱影はベガ - ε星 - ζ星の正三角形を熊の頭と見たものかと推定している。 β星 - γ星 - δ星 - ζ星 ウリバタケ・ウリキリマナイタ(香川)、タナバタのオコゲ(オコゲは麻小笥で、麻をつむいで入れる桶。熊本) ε星 - ζ星 タナバタサマのコドモ(地域不明) 『日本の星』98~99・289~290頁、『星座手帖』122頁
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