こくりつ‐てんもんだい【国立天文台】
国立天文台
名称:国立天文台
望遠鏡の種類:光学望遠鏡
国名:日本
所在地:東京都
口径:65cm(屈折望遠鏡)
国立天文台(北緯35度40分、東経139度33分、海抜59m)は、東京都下・三鷹にある世界でも有数の天文台です。現在は、文部科学省所管の天文台となっています。付属の機関として、野辺山宇宙電波観測所、岡山天体物理観測所、堂平観測所、乗鞍コロナ観測所、水沢観測センターなどがあり、それらを統括する役割を果たしています。また、岡山天体物理観測所には口径188cmの反射望遠鏡、野辺山天文台には口径45mの電波望遠鏡があります。
1.どのようないきさつで天文台がつくられたの?
最初は1878(明治11)年、東京帝国大学理学部の観象台として本郷構内に設けられました。1888(明治21)年に旧内務省、海軍省の天文関係業務を統合、東京府下、麻布飯倉に東京天文台として設立されました。しかし、都会の明るさのために観測が次第に困難になり、1924(大正13)年に現在の場所である三鷹に移転、拡充されました。旧天文台跡には「日本経緯度原点」の銘石があります。1988(昭和63)年には東京天文台は、東京大学付属東京天文台から文部省付属の天文台に移管されました。2001年には中央省庁等改革により、文部科学省国立天文台となりました。
2.どのような天文学的発見や研究、業績があるの?
暦書編製、日本標準時の決定、現示、時計検定に関する事務をおこなってきました。また、日本各地に観測所を設置して、日本の天体観測を世界の天文観測のレベルに追いつくよう、精度を高めてきました。宇宙科学研究所(現 宇宙航空研究開発機構)により1982(昭和57)年に打ち上げられた人工衛星「ひのとり」には、東京天文台の太陽天文学研究グループによってつくられた、太陽エックス線観測装置が搭載されており、最新の観測データを送信しています。
※参考文献:小平桂一ほか・監修「平凡社版天文の事典」平凡社、磯部秀三「世界の天文台」河出書房新社、国立天文台・編「理科年表」丸善、パトリック・ムーア・編/中村士ほか・訳「ギネスワールド天文と宇宙」講談社
国立天文台
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/01/13 08:38 UTC 版)
国立天文台(こくりつてんもんだい、英: National Astronomical Observatory of Japan, NAOJ)は、理論・観測の両面から天文学を研究する日本の研究所・大学共同利用機関である。大学共同利用機関法人自然科学研究機構を構成する研究所の1つでもある。
注釈
- ^ 現在の日本経緯度原点がある所。
- ^ 天文学において、『日本書紀』に「占星台」の記述がある。また、現在の東京都台東区には「浅草天文台」が設立された記録がある。浅草天文台は、江戸幕府の天文方が、私費を集めて設立した民間の天文台。その後、「明治政府」が欧米の天文学に倣い、東京帝国大学(当時は、理科大学)に設立したのが、「観象台」である。「浅草天文台」は、明治2年3月15日に発せられた太政官達により、東京府に属せられると同時に廃止された。司天台は、京都の朝廷に勤める天文方が、朝廷から支援を受けて設立された天文台。それぞれの目的は、暦の編纂であった。なぜならば、当時の暦は太陰太陽暦を採用していたため、暦と実際の季節の間にずれが生じやすかったためである。
- ^ 東京天文台の改組はそれまで多くの研究費が旧帝国大学等に集中するという批判が高まったため取られた措置である。東京大学の組織であった東京天文台は、大学から独立し広く開かれた研究所となる国立天文台と大学において教育研究指導を推進する東京大学大学院理学系研究科附属天文学教育研究センターに改組された。他には、東京大学附属宇宙航空研究所が、宇宙科学研究所へ改組された例や、名古屋大学プラズマ研究所及び、広島大学核融合理論研究センター、京都大学ヘリオトロン核融合研究センターが統合されて核融合科学研究所が発足した例などがある。
- ^ 大学共同利用機関とは、大学(学校法人)では保有(もしくは設置・運用)の難しい大型機器等を開発・設置・運用することによって、詳細かつ精密な研究を実施できるようにした研究機関のことである。
出典
- ^ 自然科学研究機構 予算 2010-04-21 閲覧
- ^ 自然科学研究機構 外部資金 2010-04-21 閲覧
- ^ a b 国立天文台年次報告〔和文〕(第21冊) 2008年度 Ⅲ.機構 210-04-18 閲覧
- ^ 【東京探Q】なぜ三鷹に国立天文台?昔は農村 暗闇が好適/貴重な施設 見学も可能『読売新聞』朝刊2018年10月29日(都民面)。
- ^ トロートン天体望遠鏡 国立科学博物館
- ^ 東京都港区. “はじまりは麻布から(海軍観象台)” (PDF). 2022年1月19日閲覧。
- ^ 内閣官報局編「明治21年文部省告示第2号」『官報』明治第1477号、日本マイクロ写真、東京、1888年6月4日、25頁、NDLJP:2944714。
- ^ 中桐正夫「東京天文台100周年記念誌作成時の資料-その1-」(PDF)『アーカイブ室新聞』第346号、国立天文台、東京都三鷹市、2010年6月9日、1頁、2014年1月2日閲覧。
- ^ 新美幸男「日本の標準時」(PDF)『天文月報』第90巻第10号、日本天文学会、東京都三鷹市、1997年10月、473-474頁、ISSN 0374-2466、NAID 10002142171、NCID AN00154555、2013年12月29日閲覧。
- ^ 河合章二郎「帝国の天文台に就て」(PDF)『天文月報』第12巻第9号、日本天文学会、東京市、1919年9月、137-146頁、ISSN 0374-2466、NCID AN00154555、NDLJP:3303990、2014年1月9日閲覧。
- ^ a b 河合章二郎 1919, p. 140, §5.
- ^ 日本天文学会編「三鷹村新東京天文台(三)」(PDF)『天文月報』第18巻第10号、日本天文学会、東京府北多摩郡三鷹村、1925年10月、150-153頁、ISSN 0374-2466、NCID AN00154555、NDLJP:3304063、2014年1月9日閲覧。
- ^ 河合章二郎 1919, p. 141, §6.
- ^ 日本天文学会編「雑報 東京天文台の移転」(PDF)『天文月報』第17巻第7号、日本天文学会、東京市、1924年7月、111頁、ISSN 0374-2466、NCID AN00154555、NDLJP:3304048、2014年1月12日閲覧。
- ^ 内閣印刷局編「大正13年文部省告示第362号」『官報』大正第3617号、日本マイクロ写真、東京市、1924年9月11日、280頁、NDLJP:2955765。
- ^ 日本天文学会編「雑録 理科年表」(PDF)『天文月報』第18巻第3号、日本天文学会、東京府北多摩郡三鷹村、1925年3月、39-41頁、ISSN 0374-2466、NCID AN00154555、NDLJP:3304056、2014年1月9日閲覧。
- ^ “岡山天体物理観測所の建設と東京天文台時代:岡山天体物理観測所40周年記念誌”. 国立天文台 岡山天体物理観測所. 2022年10月8日閲覧。
- ^ 「大型低温重力波望遠鏡KAGRAが完成、重力波望遠鏡3者による研究協定を締結」国立天文台 2019年10月4日
- ^ 国立天文台 組織概要には、設置目的として「天文学及びこれに関連する分野の研究、天象観測並びに暦書編製、中央標準時の決定及び現示並びに時計の検定に関する事務(文部科学省令第57号 国立大学法人法施行規則 第一条 国立大学法人法第五条第二項)」が挙げられている。
- ^ 天文保時室 国立天文台水沢
- ^ RISE月惑星探査プロジェクト 2019-12-23 閲覧
- ^ SOLAR-Cプロジェクト 2019-12-23 閲覧
- ^ “科学研究部”. 国立天文台. 2019年12月23日閲覧。
- ^ “野辺山太陽電波観測所 閉所のお知らせ”. 国立天文台. 2019年12月23日閲覧。
- ^ “2018年4月からの公開・質問・画像利用について”. 国立天文台 (2018年3月31日). 2019年12月23日閲覧。
- 1 国立天文台とは
- 2 国立天文台の概要
- 3 沿革
- 4 活動
- 5 売店・食堂
国立天文台
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/03/26 04:42 UTC 版)
「国立天文台三鷹キャンパス」の記事における「国立天文台」の解説
守衛所(パンフレットなどを配布) 事務棟 北研究棟 南研究棟 総合情報棟天文台図書室 - 天体物理学専門雑誌、書籍類を備えた図書室(一般閲覧可) 天文データセンター - 大型計算機室(NAOGRAPEやスーパーコンピュータなど) 天文情報センター PAOネット運用事務局 解析研究棟セミナー室(大・小) 光赤外研究部門の研究室 先端技術棟測定室 機械加工室 組立室 福利厚生棟(東京大学生協国立天文台支部で運営)売店・食堂 会議室 実験棟研究目的のために開発実験などを行う実験棟が設置されている。そのため、開発研究と呼ぶ。
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