かみのけ座
名称:かみのけ座(髪座)
学名:Coma Berenices
小分類:北半球
構成する主な星雲、星団、恒星:かみのけ座銀河団(約800個の銀河を含む銀河の集まり)/Mel.111(散開星団)/M53(球状星団)/M64(黒眼銀河=渦巻き銀河)/M85(楕円銀河)/NGC4565(渦巻き銀河)
神話の主な登場人物:ベレニケ/プトレマイオス3世/アフロディーテ
日本で観測できる時期:2月〜9月の約8カ月間
見ごろの季節:春(20時正中は5月下旬)
おとめ座の北、しし座とうしかい座の間に4等星と5等星がごちゃごちゃとかたまっているところがあります。それがかみのけ座で、決まった形を見つけるのがとても難しい星座です。しかし望遠鏡を向けてみると、距離約数千万光年の銀河が800個以上も集まる「かみのけ座銀河団」があり、専門家から非常に注目されている星座でもあります。他にも、眼のように見えるM64黒眼星雲などがあり、観測には面白い星座です。
1.見つけ方のポイント
おとめ座のスピカ、うしかい座のアークトゥールス、しし座のデネボラの3星で作る「春の大三角」から、北斗七星の方角へ少し目をずらすと、小さな星が妙にかたまっている場所があります。そこがかみのけ座です。かみのけ座からさらに北の方向へ目を移していくと、りょうけん座を見つけることができます。
2.神話の内容について
星の学名は「ベレニケの髪の毛」といい、紀元前2世紀に実在したエジプト王妃ベレニケ2世にちなんでいます。ベレニケは、夫のプトレマイオス3世がシリアとの戦いに出陣したとき、夫の勝利を祈願してアフロディーテの神殿に自分の髪の毛を捧げました。プトレマイオスは、やがてシリアとの戦争に大勝利しますが、帰ってくると不思議なことに神殿の髪の毛が消え、代わりに空に髪の毛の形をした星座が輝いていました。それがかみのけ座の由来です。かみのけ座は、1602年にティコ・ブラーエによって正式に星座に加えられました。
3.同じ時期に見える星座について
かみのけ座の周りには、春の大三角を作るうしかい座、おとめ座、しし座などが見られます。また、北にはりょうけん座とおおぐま座があり、おとめ座のさらに南には、からす座やコップ座、うみへび座などが見られます。
4.主要都市での観測について
日本全国で安定して観測することができます。ただし暗いので、都市部などの人工光の明るい場所ではとても見えにくいでしょう。
※参考文献:「星座クラブ」沼澤茂美著(誠文堂新光社)、「星のポケットブック」(誠文堂新光社)、「星座天体観測図鑑」藤井旭著(成美堂出版)、「星座・夜空の四季」小学館の学習百科図鑑、「星座博物館・春」、「同・夏」、「同・秋」、「同・冬」、「同・星座旅行」瀬川昌男著(ぎょうせい)、「星空ガイド」沼澤茂美、脇屋奈々代著(ナツメ社)
かみのけ座
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/06/26 02:24 UTC 版)
かみのけ座(かみのけざ、髪座、Coma Berenices)は星座の1つ。ラテン語の学名は「ベレニケの髪の毛」という意味で、プトレマイオス朝3代目の王プトレマイオス3世の妃で共同統治者であったベレニケ2世の名前を冠している[1]。
- ^ a b c d e f g Ian Ridpath. “Star Tales - Coma Berenices”. 2020年5月26日閲覧。
- ^ “IAU Catalog of Star Names (IAU-CSN)”. WGSN. IAU (2022年4月4日). 2022年6月26日閲覧。
- ^ 熊野鉄兵「クロード・シモン『ベレニスの髪』論」『仏語仏文学研究』第33巻、東京大学仏語仏文学研究会、 185-197頁、 doi:10.15083/00036153、 ISSN 0919-0473。
- 1 かみのけ座とは
- 2 かみのけ座の概要
- 3 出典
かみのけ座
固有名詞の分類
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