ハサップとは? わかりやすく解説

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ハサップ【HACCP】


ハサップ(はさっぷ)


HACCP(ハサップ)


Hazard Analysis Critical Control Point
むずかしい言葉ですが、゛危害分析重要管理点" と訳します。もともと、米国考案され宇宙食の高度な安全性保証するシステムのことでしたが、原材料生産から消費までのプロセス危害発生監視し、その記録保管して衛生管理活用するというHACCPが、広く一般食品衛生管理にも利用されはじめました。
HACCPの大きな特徴は、衛生管理実態記録して保存することです。そのため、事故発生時の対応がスピーディ行えるというメリットあります
このHACCPが、病原性大腸菌O157による食中毒発生以来わが国でもクローズアップされきましたちなみに企業など導入するためには、わが国では厚生労働省認可を受けなければなりません。
これまでの食品衛生管理方式では、最終製品抜き取り検査して、規格合格すれば良い考えられきました。しかし、HACCPでは、生産から製造・加工処理の全工程検査監視することになります生産段階においても、生産者自身安全性立証し品質保証することになるわけです。また、これまでは、食品中の病原微生物衛生管理目的としてきましたが、HACCPでは、腐敗有毒物質病原微生物不衛生異物混入成分規格でも、危害原因物質として管理対象にしています。
このような状況をふまえ、生乳生産段階でもHACCP導入への取り組み進められきました
畜産物輸入増加する中で、わが国酪農安定的に発展するためには、生産段階から積極的に安全対策取り組み、安全で高品質牛乳・乳製品消費者皆さん提供することが必要です。たとえば、生乳生産段階のHACCPでは、畜舎管理にはじまって、飼養管理搾乳準備段階から、搾乳作業生乳処理室でのバルククーラーなどの機器管理集乳など、さまざまなプロセスチェック行います
安全で高品質食品提供するための衛生管理基準導入は、消費者皆さん望んでいることでしょう。HACCP導入企業がまだ少ない中、乳製品関連企業25%積極的に導入推進してます。



<ミルククラブ情報誌'2001 SUMMER vol.40より>

HACCP(ハサップ)

食品の衛生管理手法一つです。「危害分析重要管理点」ともいいます1960年代アメリカ宇宙計画の中で宇宙食安全性を高度に保証するために考案され製造管理システムで、Hazard Analysis and Critical Control Point
といい、頭文字略語としてHACCP(ハサップ、ハセップハシップともいう) と呼ばれてます。
HACCPは、製造における重要な工程連続的に管理することによって、ひとつひとつ製品安全性保証しようとする衛生管理法であり、危害分析CCP重要管理点)、CL管理基準)、モニタリング改善措置検証記録の7 原則から成り立ってます。
HACCPシステムによる衛生管理基礎として「衛生標準作業手順」(SSOP: Sanitation Standard Operating Procedures)の導入など、一般的衛生管理適切に実施される必要があります
わが国では、食肉製品、乳・乳製品いわゆるレトルト食品などに対してHACCPシステムによる衛生管理方法について厚生労働大臣基準適合することを各施設毎に承認する制度設けられています。

参考毒物・劇物判定基準抜粋
毒物・劇物判定は、動物における知見または人における知見に基づき、当
物質物性化学製品としての特質などをも勘案して行うものとし、その基
準は、原則として次のとおりとします
(1) 動物における知見
急性毒性
原則として得られる限り多様な暴露経路急性毒性情報評価し、どれか一つ暴露経路
でも毒物判定される場合毒物に、一つ毒物判定される暴露経路がなく、どれか一つの暴
経路劇物判定される場合には劇物判定する
(a) 経口毒物LD5050 mg/kg以下のもの
劇物LD5050 mg/kgを越え300 mg/kg以下のもの
(b) 経皮毒物LD50200 mg/kg以下のもの
劇物LD50200 mg/kgを越え1,000 mg/kg以下のもの
(c) 吸入
ガス
吸入
蒸気
吸入
(ダストミスト)
毒物LC50500 ppm(4時間)以下のもの
劇物LC50500 ppm(4時間)を越え2,500 ppm(4時間)以下のもの
毒物LC502.0 mg/L(4時間)以下のもの
劇物LC502.0 mg/L(4時間)を越え10 mg/L(4時間)以下のもの
毒物LC500.5 mg/L(4時間)以下のもの
劇物LC500.5 mg/L(4時間)を越え1.0 mg/L(4時間)以下のもの
皮膚・粘膜対す腐食性
劇物:最高4時間までのばく露の後試験動物3匹中1匹以上に皮膚組織破壊、すなわち、表皮
貫通して真皮に至るような明らかに認められる壊死生じ場合
③ 眼等の粘膜対す重篤損傷
眼の場合
劇物ウサギ用いたDraize試験において少なくとも1匹の動物角膜虹彩又は結膜対する、可
逆的であると予測されない作用認められる、または、通常21日間の観察期間中に完全には
回復しない作用認められる
または
試験動物3匹中少なくとも2匹で、被験物質滴下2448及び72時間における評価の平
スコア計算値が角膜混濁≧3または 虹彩炎1.5陽性応答見られる場合
(2) 人における知見
人の事故例などを基礎として毒性の検討行い判定を行う。
(3) その他の知見
化学物質反応性等の物理化学的性質有効なin vitro試験等における知見により、
毒性刺激性検討行い判定を行う。
LC50Median Lethal Concentration半数致死濃度)):試料生物50%を死亡させたと推定される濃度
LD50Median Lethal Dose半数致死量)):実験動物50%を死亡させたと推定される

HACCP

(ハサップ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/29 15:07 UTC 版)

HACCP(ハサップ[1]、ハセップ、ハシップともいう[2][3]。統一された呼称はない[4]英語: Hazard Analysis and Critical Control Point)は 食品を製造する際に工程上の危害を起こす要因(ハザード; Hazard)を分析し(アナライズ; Analyze) 、それを最も効率よく管理できる部分(CCP; 必須管理点)を連続的に管理して安全を確保する管理手法である。


  1. ^ HACCP(ハサップ)”. 厚生労働省. 2018年10月15日閲覧。
  2. ^ 食品安全委員会 (2005年9月6日). “食品の安全性に関する用語集” (PDF). 食品安全委員会. p. 50. 2018年10月23日閲覧。 “頭文字の略語としてHACCP(ハサップ、ハセップ、ハシップともいう)”
  3. ^ 産業動物臨床部会常設委員会 (2012年8月8日). “第 15 回産業動物臨床・家畜共済委員会の会議概要” (PDF). 産業動物臨床部会常設委員会. p. 2. 2018年10月23日閲覧。 “「HACCP」の呼称は、平成5年、農林水産省(農水省)では「ハシップ」、厚生労働省では「ハセップ」と呼んでいたが、厚生労働省(厚労省)が流通・加工業界での取り組みを進めるうちに一般的に「ハセップ」と呼ばれるようになった。”
  4. ^ 矢田 富雄「食品安全性・衛生性確保とHACCP」『日本食生活学会誌』第7巻第3号、日本食生活学会、1996年3月、25頁、doi:10.2740/jisdh.7.3_252018年11月18日閲覧“日本では,ハセップ,ハサップ,ハシップなどと呼ばれているが,統一された呼称はない.” 
  5. ^ 河端俊治 (1975). “食品工場における新しい微生物管理,危害分析・重要管理点方式について”. モダンメディア (栄研化学株式会社) 21 (12): 519-526. 
  6. ^ ハザード分析:一般(7.4.1)/ISO22000”. ISOの窓 (2007年2月7日). 2018年12月10日閲覧。
  7. ^ 高度化基盤事項確認項目” (PDF). 農林水産省. 2017年12月24日閲覧。
  8. ^ いばらきハサップ”. 茨城県. 2010年8月10日閲覧。
  9. ^ PART 110 CURRENT GOOD MANUFACTURING PRACTICE IN MANUFACTURING, PACKING, OR HOLDING HUMAN FOOD”. CFR - Code of Federal Regulations Title 21. U.S. Food and Drug Administration. 2018年11月8日閲覧。


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