ハセップとは? わかりやすく解説

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ハセップ【HACCP】

読み方:はせっぷ

hazard analysis critical control point》⇒ハサップHACCP


HACCP

読み方:ハセップ
【英】:Hazard Analysis Critical Control Points

Hazard Analysis Critical Control Points頭文字略語であり、「危害分析重要管理点」と訳される

1959年NASA米国航空宇宙局)において、高い安全性求められる宇宙食開発チームが、HACCPシステムのもととなる概念考案する
1993年FAO国連食料農業機関)とWHO(世界保健機関)とが、合同設立したFAO/WHO合同食品規格計画Codex Alimentarius:コーデックス委員会が、「HACCPシステム適用のためのガイドライン」を採択する

HACCPシステムは、従来製品検査重点をおいた食品衛生管理法とは異なり食品原料生産から最終製品消費されるまでの全ての過程において、特に重点的に管理する必要がある工程CCP)を特定し集中的連続的に管理し、しかもその管理内容全て記録することにより、製品安全性確保する手法である。これは、危害発生予防するシステムであり、危害発生した後の事後対応ではない。

HACCPプランHACCPシステムによる衛生管理計画)は、7原則12手順構成される
7原則とは、
 ・原則 1  危害分析HA
 ・原則 2  重要管理点CCP
 ・原則 3  管理基準CL
 ・原則 4  モニタリング
 ・原則 5  改善措置
 ・原則 6  検証
 ・原則 7  記録   である。

わが国では、1995年5月食品衛生法改正」により、HACCPの原則基本とする総合衛生管理製造過程による食品製造等の承認制度創設し1996年5月より施行。現在、対象食品は、乳、乳製品食肉製品容器包装加圧加熱殺菌食品および魚肉ねり製品である。

ハセップ [Hazard analysis critical control point: HACCP]

 わが国では「危害分析に基づく重要管理点方式」と訳されハサップハシップなどともよばれている。この方式はアメリカ宇宙開発一環として宇宙飛行士のための安全な宇宙食製造する過程確立され食品製造上で管理方式基本となっている。現在、世界各国きわめて多種類の食品(生鮮・加工食品)が製造・加工され、輸出入はじめとする食品流通が行渡っているが、周知のように世界的に種々の食品汚染頻発して衛生的に経済的に大きな問題投げかけている。"ハセップ"とはこのような現状から、あらゆる食品の製造加工流通の各工程発生する恐れがある微生物汚染をはじめ、有毒・有害生物化学物質あるいは異物などの混入とそれらの危害未然に防ぐために、欧米始められ最近はわが国でも採用されつつある食品分析・管理方法である。わが国では関係省庁(農林水産省厚生省)の通達受けて、ハセップの基準基づいて、各食品毎に管理マニュアルつくられている。わが国ではこの方式が未だ徹底されているとはいえないので、ハードとソフトの両面から本格的に軌道乗せるまでには、かなりの期間を要するであろう食品工業界の多くでは既に食品衛生管理徹底しているが、今後すべての食品対象となり、ハセップ対応の証明書を添付したものでなければ輸出入はもちろん流通販売などで取り扱われなくなるので、関係業界ではその対応が急がれている。従来このような方式がほとんど実施されていなかった生鮮食品業界では、ハセップは今後大きな現実的課題として地域ごとに指導・徹底されつつある。また、諸外国でもこの問題対応するために、数年来わが国へも多く公的機関検査官企業技術者国際協力事業団(JICA)を介して研修生として派遣され食品添加物をはじめ重金属魚毒貝毒かび毒など有害物質分析食中毒細菌鑑別など技術面研修のほか、各地試験機関企業見学なども実施され関係者がその指導当たっている。

HACCP

(ハセップ から転送)

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/29 15:07 UTC 版)

HACCP(ハサップ[1]、ハセップ、ハシップともいう[2][3]。統一された呼称はない[4]英語: Hazard Analysis and Critical Control Point)は 食品を製造する際に工程上の危害を起こす要因(ハザード; Hazard)を分析し(アナライズ; Analyze) 、それを最も効率よく管理できる部分(CCP; 必須管理点)を連続的に管理して安全を確保する管理手法である。


  1. ^ HACCP(ハサップ)”. 厚生労働省. 2018年10月15日閲覧。
  2. ^ 食品安全委員会 (2005年9月6日). “食品の安全性に関する用語集” (PDF). 食品安全委員会. p. 50. 2018年10月23日閲覧。 “頭文字の略語としてHACCP(ハサップ、ハセップ、ハシップともいう)”
  3. ^ 産業動物臨床部会常設委員会 (2012年8月8日). “第 15 回産業動物臨床・家畜共済委員会の会議概要” (PDF). 産業動物臨床部会常設委員会. p. 2. 2018年10月23日閲覧。 “「HACCP」の呼称は、平成5年、農林水産省(農水省)では「ハシップ」、厚生労働省では「ハセップ」と呼んでいたが、厚生労働省(厚労省)が流通・加工業界での取り組みを進めるうちに一般的に「ハセップ」と呼ばれるようになった。”
  4. ^ 矢田 富雄「食品安全性・衛生性確保とHACCP」『日本食生活学会誌』第7巻第3号、日本食生活学会、1996年3月、25頁、doi:10.2740/jisdh.7.3_252018年11月18日閲覧“日本では,ハセップ,ハサップ,ハシップなどと呼ばれているが,統一された呼称はない.” 
  5. ^ 河端俊治 (1975). “食品工場における新しい微生物管理,危害分析・重要管理点方式について”. モダンメディア (栄研化学株式会社) 21 (12): 519-526. 
  6. ^ ハザード分析:一般(7.4.1)/ISO22000”. ISOの窓 (2007年2月7日). 2018年12月10日閲覧。
  7. ^ 高度化基盤事項確認項目” (PDF). 農林水産省. 2017年12月24日閲覧。
  8. ^ いばらきハサップ”. 茨城県. 2010年8月10日閲覧。
  9. ^ PART 110 CURRENT GOOD MANUFACTURING PRACTICE IN MANUFACTURING, PACKING, OR HOLDING HUMAN FOOD”. CFR - Code of Federal Regulations Title 21. U.S. Food and Drug Administration. 2018年11月8日閲覧。


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