栄養ドリンク
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2024/05/26 06:52 UTC 版)
服用上の注意
栄養ドリンクは医薬品、ないしは医薬部外品であること(まれに清涼飲料水)を念頭に置き、一日の容量を厳守することが前提である。
栄養ドリンクの中にはカフェインが含まれているもの(エナジードリンクなど)があるためカフェイン中毒の危険性もある。2015年にはエナジードリンクを日常的に飲んでいた男性がカフェイン中毒により死亡した事例もある(但しカフェイン錠剤を併用していた痕跡がある)[5]
販売チャネル
薬用成分を含有する物は「一般用医薬品」に指定され、長らく薬局やドラッグストアでのみ販売されていたが、1999年(平成11年)3月の医薬品販売の規制緩和により、主力商品が医薬部外品に変更されてから、コンビニエンスストアやスーパーマーケット、駅売店、一部の自動販売機でも販売されるようになった。
健康リスク
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医薬部外品に分類される栄養ドリンクは、効果・効能の認められた有効成分が含まれている人の体に対する作用が穏やかなものである。
製品記載の用法用量を守って飲用する限りは健康リスクはないものと考えられる。栄養ドリンクには主に以下の成分が含まれており、過剰摂取の場合は健康リスクが高まると考えられる。
漢方・生薬
漢方や生薬が含まれていることが栄養ドリンクの特徴。滋養強壮や体力回復のための成分として配合されている。
カフェイン
コーヒー1杯分程度の無水カフェイン(50~120mg前後)が含まれていることが多い。カナダ保健省の科学者たちによる調査では、健康な大人の場合、1日400㎎以下のカフェイン摂取量であれば、カフェインによる心身への悪影響は出ないと結論付けている[6]。一方、子供はカフェイン感受性が強いため、一日最大45mgから85mg程度を推奨されている[7]。エナジードリンクの大量摂取により、未成年の子供のカフェイン中毒や死亡例が増えている[7]。
ビタミン
ビタミンB群、イノシトールを主に含む。栄養ドリンクを飲んだ後に尿が黄色くなるのは栄養ドリンクに含まれているビタミンB群が尿中に排出されたためである。
タウリン
タウリン1000-3000mgを含む栄養ドリンクが多く、価格もタウリン配合量の分だけ高くなる傾向にある[要出典]。
安息香酸Na
栄養ドリンクには糖分などの栄養成分が多く含まれていて腐敗しやすく[8]、腐敗を防ぐために安息香酸Naが使用されており[8]、細菌やカビなどの微生物の繁殖を抑える力があるが毒性が強い[8]。安息香酸NaがビタミンCと反応するとベンゼンに変化し[8]、ベンゼンには発癌性がある[8]。ベンゼンは造血器官である骨髄に悪影響を及ぼして白血病を起こす[8]。
その他
Frauengoldは、ドイツの栄養ドリンクである。1981年8月19日に、ウマノスズクサ属のアリストロキア・クレマティティスに含まれる腎毒性、発がん性が指摘されたアリストロキア酸を含んでいたことからドイツ連邦保健省によって販売を禁止された[9]。後継としてドッペルハーツ、Galama、Tai Ginsengなどがある。
関連法規
注釈
出典
- ^ 左巻健男『病気になるサプリ:危険な健康食品』幻冬舎、2014年。ISBN 9784344983502、pp.184-185.
- ^ “オロナミンC誕生物語(2)|【大塚製薬の公式通販】オオツカ・プラスワン”. www.otsuka-plus1.com. 2023年3月16日閲覧。
- ^ “エナジードリンクの定義”. エナジードリンクマニア. 2019年7月22日閲覧。
- ^ ビタミンB1不足食に対する含B1栄養ドリンクの投与効果 : 運動と飲料 体力科學 32(4), 189-191, 1983-08-01
- ^ INC, SANKEI DIGITAL (2015年12月22日). “国内初、カフェイン中毒死 エナジードリンク日常的に大量摂取か (1/3ページ)”. 産経ニュース. 2023年1月7日閲覧。
- ^ レッドブルは健康や心臓に悪い? :: エナジードリンク :: レッドブル・ジャパンレッドブル公式サイト
- ^ a b “エナドリ、若者の購入伸び率が最多に 過去に救急搬送、死亡例も”. with news. 2023年7月7日閲覧。
- ^ a b c d e f “「栄養ドリンク」「トクホ」に潜む重大問題 | 5日連続特集 ヤバすぎる!ドリンクの裏側”. 東洋経済オンライン (2014年10月1日). 2022年2月26日閲覧。
- ^ Die Aristolochia clematitis als Giftpflanze
- 1 栄養ドリンクとは
- 2 栄養ドリンクの概要
- 3 服用上の注意
- 4 脚注
固有名詞の分類
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