参議院の緊急集会 緊急集会の要件

参議院の緊急集会

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/12/26 06:50 UTC 版)

緊急集会の要件

憲法は「衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会となる。但し、内閣は、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を求めることができる」と定める(日本国憲法第54条第2項)。

衆議院の解散

緊急集会を開くには「衆議院が解散されたとき」でなければならない(日本国憲法第54条第2項)[5][6]。本来、国会は同時活動を原則とするが、この原則を貫徹すると衆議院が解散されている間いかなる事情においても国会は活動できなくなってしまうことから、日本国憲法上、緊急の事態を解決するために設けられたのが参議院の緊急集会の制度である。

任期満了の場合の問題

衆議院議員の任期満了による総選挙の場合は、通常は任期満了前30日以内に行われるため(公職選挙法第31条第1項)、選挙期間中でも衆議院議員の身分を失わないので、緊急集会の問題は生じない。しかし、任期満了前の選挙期間が国会閉会後から24日取れない場合は、例外的に国会閉会の日から24日以後30日以内とした上で衆議院議員の任期満了後に総選挙が行われる可能性もある(公職選挙法第31条第2項)。そのため、解散後の総選挙の場合と同様に衆議院議員が不存在となる。しかし、憲法第54条は、緊急集会を衆議院が解散された場合としていることから、任期満了後から衆議院議員が選出されるまでの間に衆議院議員が存在しない状況において国に緊急の必要がある事態が発生しても、緊急集会を求めることは困難とされる[5]

衆参同日選挙の場合の問題

衆議院解散中に参議院でも、参議院議員通常選挙が行われている場合(衆参同日選挙)の緊急集会については、様々な議論がある。

通常、参議院議員通常選挙は任期満了前30日以内に行われる(公職選挙法第32条第1項)ので、選挙中も参議院議員の身分を失うことはない。しかし、選挙までの期間が閉会後24日以上取れない場合は、例外的に任期満了後に選挙が行われる(公職選挙法第32条第2項)。

参議院議員が、半数の124人だけになっている間に「緊急集会を開催できるのか」が問題となるが、あくまでも参議院は同一性をもって存在する機関であり、また、緊急集会の制度趣旨は緊急時における暫定的処置を行う必要があるためのものであること、さらに本会議の定足数は3分の1で議事・議決を行う要件は満たされることから、非改選議員だけでも開会しうると解されている[7]

内閣の請求

緊急集会は内閣が国に緊急の必要があると認めるときに開かれる(日本国憲法第54条第2項但書)。緊急集会の請求は内閣の専権に属する[7]。参議院が自ら緊急集会を開くことはできない。


  1. ^ 松澤 1987, p. 346.
  2. ^ 佐藤 1984, p. 721.
  3. ^ a b 浅野 & 河野 2003, p. 36.
  4. ^ a b 佐藤 1984, p. 719.
  5. ^ a b 松澤 1987, p. 344.
  6. ^ 加藤 2019, pp. 102–103.
  7. ^ a b 松澤 1987, p. 345.
  8. ^ 浅野 & 河野 2003, p. 37.
  9. ^ a b 松澤 1987, p. 347.





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