シズル感 シズル感の概要

シズル感

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/30 19:17 UTC 版)

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由来

シズル感の語は、揚げ物などがジュージュー音を立てる様や肉汁が滴り落ちる様を表す英単語(動詞名詞sizzleに由来する[1][2][7]。この語が広告業界で使われ始めるきっかけとなったのは、エルマー・ホイラー[注 1]の『ステーキを売るな、シズルを売れ』という書籍である[9][10][4]

映像表現におけるシズル感

EPSON (2020, pp. 1ff.)によると、料理写真においてはシズル感を演出するためには、光を当てる角度により料理にツヤやテカリが出るようにすることが重要である。また、料理の鮮度も同等に重要であるとしている。その他、グラス表面の水滴や料理から立ち上る湯気などによってもシズル感は強調される[11][1]

言語表現におけるシズル感

大橋ら (2015)によるとシズルワードは以下の3つに大別できる。

味覚系
味覚嗅覚に対応した「甘い」「辛い」「酸味」や「コク」「深み」「マイルド」などの他、「余韻のある」「飽きのこない」「複雑な」といった、気分印象感情に対応する表現も含む
食感系
触覚聴覚に対応した「サクサク」「プリプリ」(歯触り)、「ザラザラ」「つるつる」(舌触り)や「あつあつ」「冷え冷え」(温度)、「硬い」「ふんわり」(硬度)といった表現
情報系
知識知恵に対応した「ノンオイル」「減塩」「無農薬」(健康)、「揚げたて」「産地直送」「新鮮」(鮮度)、「素朴な」「上品な」といった表現

シズルワードにはオノマトペが多用されるが、これらは食感系に含まれることが多い[12]

漫画表現におけるシズル感

漫画表現におけるシズル感について南 (2013, p. 42)は、料理そのもののだけではなく調理過程や食事シーンの描写によっても表現できると述べ、料理を緻密に描く久住昌之谷口ジロー孤独のグルメ』やよしながふみ『愛がなくても喰ってゆけます。』、花輪和一刑務所の中』といった作品に加え、山口晃落書きのようなラフな線で綴った[13]『すゞしろ日記』の描写もまたシズル感を生むとしている。また南は、五十嵐大介リトル・フォレスト』や土山しげる極道めし』を例に挙げ、シズル感が擬音語のsizzleに由来することも引きながら、現実の音や雰囲気をよりビビッドに表すオリジナリティある擬音を考案できるか[14]ということも、漫画におけるシズル感の表現において重要な点であると述べている。




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