キャリアメール
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/04 14:54 UTC 版)
MMS
日本のキャリアメールは、独自に進化して音声・動画・写真などの添付ができるように発展した。一方、日本以外の地域ではキャリアメールが存在しないため、WAPフォーラム(オープン・モバイル・アライアンスの前身)が中心となり、2001年頃にMMS(マルチメディア・メッセージング・サービス)の最初の仕様が策定された。これにより携帯電話から各種のメディアファイルの送付ができるようになり、これが世界標準仕様となった。
MMSでは、インターネットとのメール交換のためにキャリアメールと同じく事業者所有ドメインを使用したメールアドレスも使うことができるため、MMSは世界標準版のキャリアメールとみなせないこともない。ただキャリアメールが広く普及していた日本でも、標準規格に準拠するためにMMSに対応せざるを得なくなった。そこでボーダフォンが、2001年にJ-PHONEを買収すると、2002年に日本でも3Gで世界共通サービスVodafone Live!の一環としてMMSを導入。スカイメールは2Gサービス専用になった。auについても、ボーダフォンに遅れてMMSを採用した。NTTドコモでは、大手事業者の中で唯一MMSを導入せず、iモードメールとMMSのゲートウェイを設け、メッセージ交換をする方式を選んだ。
利用者側から見た、キャリアメールとMMSの大きな違いは、以下の通りである。
- MMSでは、コンテントアダプテーション(画像サイズの縮小などのように、受信端末能力に応じた内容の改変がある)がある。しかしキャリアメールでは、原則的に改変はされない。
- MMSでは相手先の指定にメールアドレスに加えて電話番号も使用することができる。キャリアメールでは、電話番号は使用できない。
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- ^ 電気通信事業者協会・NTTドコモ・KDDI・沖縄セルラー電話・ソフトバンク・ウォルト ディズニー ジャパン「プレスリリース 迷惑Eメールに関する申告情報の取扱いについて」『一般社団法人電気通信事業者協会』電気通信事業者協会 、2016年9月7日
- ^ 配信中のメールの暗号化 – Google 透明性レポート
- ^ メールのセキュリティ - Twitter透明性センター
- ^ メールの暗号化に関するよくある質問 - Transparency Report ヘルプ
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