酸度とは? わかりやすく解説

Weblio 辞書 > 同じ種類の言葉 > 化学 > 化学物質 > 酸度 > 酸度の意味・解説 

さん‐ど【酸度】

読み方:さんど

酸の強さ程度塩基1モル溶けたときに生ず水酸化物イオンモル数で表す。一酸塩基、二酸塩基のようによぶ。


酸度

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/11/12 17:34 UTC 版)

工業分野で酸度(さんど、: acidity[1])とは、対象に含まれる濃度のことである[2]。同様にアルカリの濃度はアルカリ度 (alkalinity[1]ということがある。

水溶液の酸性の強さpH)とは別の概念である。酸性の強さとは水素イオンの濃度のことで、酸の一部が水中で解離した結果である。それに対して酸度はその水溶液中にある酸という化学物質自体の濃度であって、その酸が今どのくらい解離しているか否かは関係ない。

また、酸物質の種類ごとの「酸の強さ」(「硫酸強酸である」等)の指標である酸性度定数(酸解離定数)とも別物である。しかし、人によっては酸度(酸の濃度)のことを「酸性度」と言うこともあり[2]、いっぽう「酸性度」や「酸度」がpHを指す場合もある[3][4]

さらに、化学分野では「酸度」という用語は別の定義があり、「酸の濃度」という意味はない[4]

酸の濃度

ひとくちに「酸度」(酸の濃度)と言っても、その対象範囲と単位が分野毎、国ごと、さらには品目ごとに異なる。同じ対象物でも、異なる規格で測定した値同士は比較できない。特に「換算」という慣習により、さらに比較しにくくなっている。

滴定酸度

中和滴定法で測定される酸度の値を滴定酸度(てきていさんど、 (titratable acidity[5]、TA。なお、総酸度もTAと略されることがある)という。特定成分だけの酸度を測定するためには追加の作業が必要である。

総酸度

溶液中にはいろいろな酸物質が混じっていることがある。その溶液中のすべての種類の酸全体を総酸、その酸度を総酸度[6](そうさんど、 (total acidity[5]、TA。なお、滴定酸度もTAと略されることがある)という。特定の○○酸成分だけの酸度は「(溶液中の)○○酸の酸度」というふうにいう。

換算

酸は、種類によって同一量の水素イオンを出せる酸の質量が異なる。したがって異なる種類の酸同士の化学的性質は質量では比較できないし、各々の質量を合計したのでは化学的には意味がない。そこで、ある水溶液に含まれている各種の酸を一個の「酸度」値にまとめるのに換算が必要になるが、いくつかの方法がある。例:

  1. 酒類を水酸化ナトリウム水溶液で中和滴定して得た酸度(水酸化ナトリウムのモル濃度 (mmol/100mL)で表記)。例: 酸度A=19.3 (mmol/100mL)
  2. 清酒業界ではコハク酸の質量に換算することがある。酸度(コハク酸の質量に換算) S=A*0.059 (g/100mL)。例: S=19.3*0.059=1.14 (g/100mL)。おおまかには、「もしこの酒100mLの中の酸が出せる全水素イオンを、全てコハク酸が出したと仮定した場合には、コハク酸何g分に相当するか」という意味である。
  3. ワイン業界では、酒石酸の質量に換算することがある。酸度(酒石酸の質量に換算(英: acidity expressed as tartrate[7])) T=A*0.075 (g/100mL)。例: S=19.3*0.075=1.45 (g/100mL)。

つまり、同じ測定物でもAとSの数値は約17倍違い、SとTは約1.3倍違う。別々の物質として換算された値同士は比較できない。単位や換算物質が省略された数値も比較できない。

酸度の換算
酸度 参考(換算先の酸)
呼称 単位 単位 組成式 分子量式量 酸の価数
試料10mLを中和するのに要した0.1 mol/L水酸化ナトリウム水溶液の量 1.0 mL 1.0 mL
試料10mLを中和するのに要した水酸化ナトリウムの量 0.1 mmol 0.1 mmol
酸度(水酸化ナトリウムモル濃度に換算) 1.0 mmol/100mL 10.0 mmol/L
酸度(塩酸の質量に換算) 0.036 g/100mL 0.36 g/L

この項目は、農業に関連した書きかけの項目です。この項目を加筆・訂正などしてくださる協力者を求めていますウィキプロジェクト 農業/Portal:農業)。


酸度

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/04/26 15:45 UTC 版)

日本酒」の記事における「酸度」の解説

清酒10ミリリットル中和するのに要する0.1モル/リットル水酸化ナトリウム溶液滴定ミリリットル数のこと。この値が大きければ「さっぱり」、小さければ「こくがある」といった表現使われる。しかし、これも日本酒度同様に、人の味覚は、香り食べあわせ体調などにより大きく変動する

※この「酸度」の解説は、「日本酒」の解説の一部です。
「酸度」を含む「日本酒」の記事については、「日本酒」の概要を参照ください。

ウィキペディア小見出し辞書の「酸度」の項目はプログラムで機械的に意味や本文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。 お問い合わせ

「酸度」の例文・使い方・用例・文例

Weblio日本語例文用例辞書はプログラムで機械的に例文を生成しているため、不適切な項目が含まれていることもあります。ご了承くださいませ。



酸度と同じ種類の言葉


英和和英テキスト翻訳>> Weblio翻訳
英語⇒日本語日本語⇒英語
  

辞書ショートカット

すべての辞書の索引

「酸度」の関連用語

1
100% |||||

2
100% |||||

3
94% |||||

4
精製オリーブオイル デジタル大辞泉
78% |||||


6
多酸塩基 デジタル大辞泉
70% |||||

7
54% |||||

8
54% |||||


10
エキストラ‐バージン デジタル大辞泉
54% |||||

酸度のお隣キーワード
検索ランキング

   

英語⇒日本語
日本語⇒英語
   



酸度のページの著作権
Weblio 辞書 情報提供元は 参加元一覧 にて確認できます。

   
デジタル大辞泉デジタル大辞泉
(C)Shogakukan Inc.
株式会社 小学館
京浜河川事務所京浜河川事務所
Copyright (C) 2025 京浜河川事務所 All rights reserved.
日本酒日本酒
(c)Copyright 1999-2025 Japan Sake Brewers Association
ウィキペディアウィキペディア
All text is available under the terms of the GNU Free Documentation License.
この記事は、ウィキペディアの酸度 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。 Weblio辞書に掲載されているウィキペディアの記事も、全てGNU Free Documentation Licenseの元に提供されております。
ウィキペディアウィキペディア
Text is available under GNU Free Documentation License (GFDL).
Weblio辞書に掲載されている「ウィキペディア小見出し辞書」の記事は、Wikipediaの日本酒 (改訂履歴)、塩酸 (改訂履歴)の記事を複製、再配布したものにあたり、GNU Free Documentation Licenseというライセンスの下で提供されています。
Tanaka Corpusのコンテンツは、特に明示されている場合を除いて、次のライセンスに従います:
 Creative Commons Attribution (CC-BY) 2.0 France.
この対訳データはCreative Commons Attribution 3.0 Unportedでライセンスされています。
浜島書店 Catch a Wave
Copyright © 1995-2025 Hamajima Shoten, Publishers. All rights reserved.
株式会社ベネッセコーポレーション株式会社ベネッセコーポレーション
Copyright © Benesse Holdings, Inc. All rights reserved.
研究社研究社
Copyright (c) 1995-2025 Kenkyusha Co., Ltd. All rights reserved.
日本語WordNet日本語WordNet
日本語ワードネット1.1版 (C) 情報通信研究機構, 2009-2010 License All rights reserved.
WordNet 3.0 Copyright 2006 by Princeton University. All rights reserved. License
日外アソシエーツ株式会社日外アソシエーツ株式会社
Copyright (C) 1994- Nichigai Associates, Inc., All rights reserved.
「斎藤和英大辞典」斎藤秀三郎著、日外アソシエーツ辞書編集部編
EDRDGEDRDG
This page uses the JMdict dictionary files. These files are the property of the Electronic Dictionary Research and Development Group, and are used in conformance with the Group's licence.

©2025 GRAS Group, Inc.RSS