ドン・ファン
英語:Don Juan
「ドン・ファン(西: Don Juan)」とは、「好色漢」「女たらし」「プレイボーイ」といった意味合いで用いられる言葉である。
【由来】
もともと「ドン・ファン」とは、希代の女たらしとして語られる伝説的人物の名前である。実在した人物というわけではない。この伝説に基づき、ドン・ファンは女性を誘惑する「女たらし」の代名詞となっている。
ドン・ファンはスペイン語圏における伝説であり、「Don Juan」と表記してスペイン語の発音に則り「ドンファン」と発音される。英語圏では英語の読み方にならって「ドンジュアン」と発音することもあるが、原語に則して「ドンジュアン」と読む場合が少なくない。
ドン・ファンの伝説は17世紀に生まれたとされる。モーツァルトは18世紀に「ドン・ジョバンニ」としてドン・ファンを題材とするオペラ作品を世に出している。ちなみにドン・ジョバンニ(Don Giovanni)はドン・ファンのイタリア語名である。
「ドン・ファン」は「女たらし」や「好色漢」の代名詞である。そう解釈すれば、2018年に和歌山県の資産家が怪死した事件を報じた折マスメディアが多用した「紀州のドン・ファン」という二つ名も理解しやすい。同事件の渦中の人物は述べ数千人にのぼる女性遍歴があったという。
ドン・ファンという二つ名は、もっぱら男性について用いられる。
女性について、「男をたぶらかす魔性の女」という意味で用いられる表現としては、ファム・ファタール(femme fatale)のような言い方が挙げられる。なお「ファム・ファタール」は概念上の類型であり、人名というわけではない。ファム・ファタールの代表例となり得る人名としては、「カルメン」や「サロメ」が挙げられるかもしれない。
ドン・ファンの類義語、というと語弊があるが、「カサノヴァ」なども女性遍歴の多さによって後世に名の伝わる人物の名前であり、ドン・ファンと同様に「女たらしの代名詞」として用いられることがある。カサノヴァ(Giacomo Casanova)は18世紀イタリアに実在した文人であり性豪、その奔放な性体験は自伝によって今日に伝わっている。
ドン‐ファン【Don Juan】
読み方:どんふぁん
スペインの伝説上の人物。美男の好色漢、愛の遍歴者として多くの文学作品に登場する。モリーナの戯曲「セビリアの色事師と石の客」が原型。モリエールの喜劇、バイロンの長詩、モーツァルトのオペラなどで有名。ドン=ジュアン。ドン=ジョバンニ。
ドン‐ジュアン【Don Juan】
ドン・ファン
(don Juan から転送)
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2023/02/18 08:17 UTC 版)
ドン・ファン(スペイン語: Don Juan[1])は、17世紀スペインの伝説上人物。ティルソ・デ・モリーナの戯曲「セビリアの色事師と石の客」が原型。好色放蕩な美男として多くの文学作品に描写されている。プレイボーイ、女たらしの代名詞としても使われる[2]。 なお、「ドン」はスペイン語圏等における男性の尊称である。
- ^ スペイン語発音: [doŋˈxwan] ドン・ホワン(ホアン/フワン/フアンに近い発音もみられる)
- ^ 『ドンファン』 - コトバンク
- ^ 『ドン・ファン・テノーリオ』(ホセ・ソリーリャ著、高橋正武訳、岩波書店、1949年、全国書誌番号:49012744)
- ^ イギリス英語発音:[ˌdɒn ˈhwɑːn] ドン・ファーン、アメリカ英語発音:[ˌdɑːn ˈhwɑːn] ダーン・ファーン(ホワーンに近い発音も見られる)
- ^ フランス語発音: [dɔ̃ʒɥɑ̃] ドンジュアン
- ^ イギリス英語発音:[ˌdɒn ˈdʒʊən] ドン・ジュアン、アメリカ英語発音:[ˌdɑːn ˈdʒʊənn] ダーン・ジュアン(ジュワンに近い発音も見られる)
- 1 ドン・ファンとは
- 2 ドン・ファンの概要
- 3 外部リンク
「Don Juan」の例文・使い方・用例・文例
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