B192
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2021/09/27 14:30 UTC 版)
1991年のマシンであるB191で初めて導入されたハイノーズ+吊り下げ型ウイングをロリー・バーンがレイナードで実践したデザインに改良。ノーズの鼻先を持ち上げてウィングとの距離を広げ、空力的メリットをより積極的に引き出そうとした。太く丸いノーズは、スポンサーであるキャメルの黄色から「バナナノーズ」と呼ばれた。バーン曰く当初は1991年シーズンに向けてデザインしたが、バーナード加入に伴うチーム内の混乱から自らも一時離脱した影響で投入が遅れたと言う。この「バナナノーズ」は後に全てのチームが倣うほどの影響を与えた。 1992年シーズンはウィリアムズ・FW14Bに搭載されたアクティブサスペンションやトラクションコントロールなどの電子制御装置が脚光を浴びた。一方のベネトンは先述のチーム内の混乱の影響で時間的にハイテク競争に参入するどころではなかった状況下で、B192はマニュアルギアボックスとパッシブサスペンションのノンハイテクマシンであった。 マーティン・ブランドルが「レールの上を走っているかのようなダウンフォース」と評した優れた空力性能と、エンジンとマシンの信頼性を武器に戦い、ミハエル・シューマッハとブランドル合わせて10回の表彰台に上がった。また、雨のベルギーGPではシューマッハが初優勝を遂げた。 結果、序盤3戦のB191Bとあわせて、全16戦すべてのレースで6位入賞圏内完走、全戦ポイント獲得という成績を残す。これは、1963年以来、実に29年ぶりの記録である(翌1993年、チャンピオンマシンのウィリアムズ・FW15Cも達成している。2000年代以降は入賞順位が拡張され、マシンの品質管理を含むロジスティックス、レースオーガナイズが圧倒的に向上した結果、全戦入賞チームはめずらしくなくなる)。 ちなみに1994年にパシフィックが投入した「PR01」は、ロリー・バーンがレイナードに在籍していたときのデザインを流用して作られたマシンということもあり、本マシンとデザインが酷似している。
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