B.1.617の他の亜系統
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/21 15:00 UTC 版)
「SARSコロナウイルス2-デルタ株」の記事における「B.1.617の他の亜系統」の解説
「SARSコロナウイルス2の変異株B.1.617系統」も参照 B.1.617系統は、これまでにB.1.617.1〜3の3つの亜系統に分類されており、このうち、B.1.617.1とB.1.617.2はWHOのラベルで、それぞれカッパ株(Kappa variant)、デルタ株(Delta variant)に分類されている。 B.1.617系統は、スパイクタンパク質にL452R、D614G、P681R変異を共通に有している。また、B.1.617.3はB.1.617.1で発見されたE484Q変異を共有しているが、B.1.617.2にはE484Q変異がない。一方、B.1.617.2にはT478K変異があるが、B.1.617.1およびB.1.617.3には見られない。 2021年4月、B.1.617.1(VUI-21APR-01)がPHEによって調査中の変異株(VUI)に指定された。4月後半には、他の2つの変異株であるB.1.617.2(VUI-21APR-02)とB.1.617.3(VUI-21APR-03)が調査中の変異株(VUI)として指定された。欧州疾病予防管理センター(ECDC)は、B.1.617の3つの副系統すべてを注目すべき変異株(VOI)として維持する概要を発表し、「現在の措置の変更を検討する前に、これらのB.1.617系統に関連するリスクをより深く理解する必要がある」とした。 2021年5月6日、PHEは、少なくともB.1.1.7と同程度の感染・伝播性があると評価し、B.1.617.2系統を調査中の変異株(VUI)から懸念される変異株(VOC)に引き上げ、"VOC-21APR-02" と位置付けた。同年5月11日にはWHOが、B.1.617系統全体を注目すべき変異株(VOI)から引き上げて、懸念される変異株(VOC)に分類したが、6月に入ると公衆衛生上のリスクがより大きなB.1.617.2系統のみをVOCに分類(他の2亜系統は格下げ)するように改めている。この変異株は、2021年2月に始まったインドにおける第2波の感染拡大の要因の一つであると考えられている。
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