D614G
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/05/09 18:15 UTC 版)
「SARSコロナウイルス2の変異株」の記事における「D614G」の解説
D614Gは、SARS-CoV-2スパイクタンパク質に影響を与えるミスセンス変異である。ウイルス集団におけるこの突然変異の頻度は、パンデミックの間に増加した。多くの国々で(中国やその他の東アジア地域では徐々にではあるが、特にヨーロッパにおいて)、614番目のD(アスパラギン酸)はG(グリシン)に置換された。このことはGが感染率を高めるという仮説を支持しており、in vitro(試験管内)での高いウイルス価および感染性とも一致する 。PANGOLINは、この突然変異へ "Doug" という俗称を付けた。 2020年7月に、より感染性の高いD614G変異株がパンデミックの主要形態になったことが報告された。イングランド公衆衛生庁 (PHE) は、D614G突然変異が「伝達性に中程度の影響」を及ぼし、国際的に追跡されていることを確認した。 D614Gによる世界的な有病率はCOVID-19の症状としての嗅覚喪失(無嗅覚症)の有病率と相関しており、おそらく受容体結合ドメイン (RBD) のACE2受容体へのより高い結合、または高いタンパク質安定性による嗅上皮(英語版)への高い感染性によって媒介されている。 D614G変異を含む変異株は、GISAIDによるGクレードおよびPANGOLINツールによる B.1クレードに見られる。
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