VICSの問題点
出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2022/08/03 05:13 UTC 版)
「道路交通情報通信システム」の記事における「VICSの問題点」の解説
FM多重は都道府県単位の情報となっているため、カーナビゲーションで県境を越えたルートを検索(例:東京→横浜)すると目的地付近の渋滞情報が反映されないことが多い。これを補う仕組みとして、パイオニアは、回線を利用した渋滞情報を取得するサービス「スマートループ」を独自に始めている。他の車が実際に走行したデータと、VICSによる渋滞情報を複合処理し、よりきめ細かい道路交通情報を提供する。パイオニア以外にも、日産自動車(Nissan Connect)、本田技研工業(インターナビ)、三菱電機(Open Info)のカーナビで利用できる。 FM多重の中にはカーオーディオのFMチューナーを使用しているものがある。オーディオのスイッチがOFFになっているときや、ラジオでもAM各社局・民放FM各社を聴いているときは、受信できなくなる機種がある。 渋滞が起こってからの情報となるため、その地点に到達した時には、既に渋滞が解消しているケースもある。逆に、空いているルートを選んだつもりが、その地点に到達したときには渋滞が始まっているケースもある。また、路上駐車や駐車場待ちの列、路上工事の車両など、車が列になって道路上に停車していることに対し渋滞と判断をするため、実際には渋滞していないケースもあり、さらにはセンサー付近の(季節によってかなり変動する)街路樹を渋滞と判断することもある。 FM多重はNHK-FMの電波を利用して行われているが、あくまでもデジタル波のため、NHK-FMの音声が聴こえていても障害物がある所や山間部ではVICSデータを受信できない場合がある(トンネルでラジオの再送信が行われている道路でも、VICSデータのみ再送信をしていない場所が多い)。その逆に、高台等、送信所が見通せる場所では周波数サーチをかけると隣県のNHK-FMの電波を受信できる場合がある。 渋滞センサーが設置されているのは主要な道路に限られるため、それ以外の道路では情報が得られない。この問題点を解消するため、実際に走行している車両からのデータをもとに交通情報を組み立てるのがプローブ交通情報である。2015年より、FM多重放送ではVICS WIDEサービスの開始により対応する。
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