T-43での研究とは? わかりやすく解説

T-43での研究

出典: フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』 (2019/06/08 08:56 UTC 版)

Su-9 (航空機)」の記事における「T-43での研究」の解説

設計局名称T-43(Т-43)と呼ばれた大型デルタ翼機は、1958年前半期量産化向けた開発機であったPT-8をベース製作された。T-43シリーズはT-3シリーズのひとつに数えられている。T-43はまずT-43-1からT-43-6まで6つ機体製作され、それらにはAL-7Fの改良型当時ソ連最大出力をもっていたAL-7F-1(АЛ-7Ф-1)1基が搭載された。 T-43開発当時ソ連にあったレーダー・ステーションは、従来のMiG-17PF/PFUやMiG-19P/PM迎撃戦闘機搭載されていた「イズムルート」(Изумруд:「エメラルドの意味)またはRP-1(РП-1)、RP-2(РП-2)および改良型のRP-5(РП-5)と呼ばれる小型電波発信部と受信部分離されている形態のもの、Yak-25迎撃戦闘機搭載されていた「ソーコル」(Сокол:「の意味)またはRP-6(РП-6)と呼ばれる大型のもののわずか2系統のみであったいずれのステーションも、新し迎撃戦闘機への採用には不適であった。イズムルートは小型かつ形状特異発展性乏しく逆にソーコルあまりに大きすぎてT-43への搭載は困難であった当時ソ連レーダー開発行っていた唯一の機関であった17モスクワ科学試験研究所(NII-17)では、新しレーダー・ステーションである「ウラガーン」(Ураган:「突風の意味)と「パンテーラ」(Пантера:「豹」の意味)の開発進めていたが、それらの計画遅々として進まなかった。そこにきて、軍事産業省の第1設計局新たなレーダー・ステーション開発が行われていることが明らかになった。有翼空対地ミサイルシステムに関する研究の中心であったこの設計局では、主任A・A・コーロソフ(А.А. Колосов)を中心に十分にコンパクトなレーダー・ステーションTsD-30(ЦД-30)が完成された。TsD-30には、ピョートル・ドミートリエヴィチ・グルーシン(Петр Дмитриевич Грушин)の率い航空産業省(MAP)第2設計局(グルーシン設計局)で開発された空対空誘導ミサイルシステムK-5(К-5)の運用能力確保されていた。また、TsD-30は「ヴォーズドゥフ1」(Воздух-1:воздухは「空気の意味自動誘導装置搭載し、この装置は低高度目標への攻撃能力大幅に高め役割担った発信部と受信部統合するシステム開発され、このレーダー・ステーション寸法T-43可動式ノーズコーンに無理な収納できるものとなった。この派生型おかげで1957年までにソ連制式武装採用された空対空誘導ミサイル唯一K-5だけであると言われた。その後改良型のK-5M(К-5М)や1957年10月MiG-19PMにおける検査試験成功裏完了したK-5MS((К-5МС)がTsD-30の主要運用兵装とされた。のちに、K-5はRS-1U(РС-1У)、K-5Mは RS-2U(РС-2У)、K-5MSはRS-2US(РС-2УС)にそれぞれ改称された。 T-43シリーズではレーダーシステム試験のほか機体飛行特性試験行われた。その過程で、T-43-1のノーズコーンにはESUV-1(ЭСУВ-1)電気水圧システム追加搭載された。1960年1月には、T-43の高い速度及び高度性能比例して増加する燃料消費量賄うために翼内にもインテグラル燃料タンク設置した機体としてT-43-12(Т-43-12)が開発された。インテグラル燃料タンク機体構造組み込んだのは、この機体世界初となったその後西側各国でも機内燃料タンクインテグラル化が進められた。だが、翼内にまで燃料タンク設置した戦闘機はあまり例がない。これは、T-43がよほど燃料大量に消費したことと、それに対処するために設計者大い努力行ったことの表れである。各種試験においてT-43高い評価を得、その研究成果量産向けたT-3の完成反映されることとなった

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